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シンディーちゃんの初めてのお使い 前編

「だからね、ゲド戦記なのよ」

「あぁ、それなら西郷隆盛も…」

「???」


 “始まりの街”アムレーハルクスに帰って来た(マッド・)(ティー・)(パーティー)の三人は早速にバーガー伯爵邸に転がり込み、「まずは」とお掃除を始めた。

 普段は道場などを黙々と掃除するシンディーとスピカではあったが、「少しは女の子らしく、可愛らしく」と、意識的にペチャクチャお喋りをしだした。

 しかし、如何せん中の人はアラサーのオッちゃん同志、しかも稀代の変わり者コンビとなれば、本人たちは可愛らしいつもりでも、傍から見たら???だらけだ。

 歴女(れきじょ)ではない理系女(りけじょ)のステッドには、ファンタジー小説の傑作と明治の元勲になんの関係があるのか、サッパリ分からなかった。


     avant-title END


●□●□●□●□


「スピちゃん。そっちの砂時計取って」

「はーい。でも本当に一人で行くんですか?姉兄(おねにい)さま。巨大(おお)姉兄(おねにい)さまが心配しますよ。私だって」


 トランクに着替えや下着と細々した物を詰め、簡単に旅支度を整えていた。

 拠点を構えてすぐではあるが、シンディー・マーチンが転移後初のソロプレイでの依頼を受けていた


「まぁまぁ。これは一人じゃないとかえって邪魔になるのよね。

 さて、化粧品一式は持った」

「メイクできるの?いつも巨大(おお)姉兄(おねにい)任せでしょ?」

「あのヒゲじゃメイクできないからね。メイクの腕を落としたくないからって、毎朝私にしてくれるけど、私だって少しはできるようになったんだから。

 ヘアブラシに、手鏡に、魔導書っぽく見える手帳に、お財布に、扇子に、ハンカチに免許証はないから冒険者ギルド他の身分証明書にiPhone…はないし。他は何かいるかな?」

「いるの?そんなに?細々したものばっかり」

「備えあれば憂いなしってね」

「いつもの旅のマントとか、保存食とか、革袋の水筒とか、野宿(キャンプ)道具一式とかが無いのは」

「今回は冒険者っぽく見えないようにしなきゃいけないの。色々試したいことがあって受けた依頼だからね」

「西への街道が一番物騒らしいですわよ。夕方から夜にかけて、山賊が何組もでるらしいって」

「その情報は私も掴んでるから。大丈夫」

「それじゃ行ってきます」

「行ってらっしゃい。お気をつけて」

「もー心配しすぎだって」


 そして、西の街道。夕日が沈むころには山賊たちに取り囲まれていた。


     A-part END


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