表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/38

徹底的に究明する

しまった。今日木曜日だよ。せっかく See you next Wednesday て分る人にしか分からないwネタを、ずーっと仕込んでいたのに

「チッ覚えていやがれ!」


 ここは街道の途中、バーガー伯爵領まで後数時間と言ったところだ。

 テンプレセリフを吐きながら逃げていくチンピラ達を見送りながら、ヒゲ面の大男は独り言ちていた。


「ありゃ?NPCに交じってPCもいるな。よくない傾向だな」


「助かりました。ありがとうございます、旅の重戦士さま」


 つい今しがた絡まれていた所を助けられた娘が礼を言う。


「なーに構わん。それより、君のように小さな娘さんが一人旅とは物騒だ。私もバーガー伯爵領に行くのだ。よかったら一緒に行かぬか?」

「あらまぁ。願っても無い事です。ご一緒していただけますか」

「うむ。旅は道連れだ。私はステッドだ。領主様に雇われてな」

「私はマルコ。アチョウドゥエチグヤァ商会という所で働いている姉に会いに…」

「どうしたのだ?」

「はい。実はしばらく前から里への手紙も途絶え、何かおかしな事ばかりで…それで思い切って直接会いに行こうと」

「なるほど、そのような深い訳があったとはな。本当におかしな事だらけだ」


 先ほどのチンピラは、偶然でも無差別でもなく明らかにこの娘を狙っていた。何の変哲もない普通の村娘になにがあるのか?謎は深まるばかりだ。

 ところでステッド君。なんでさっきから侍言葉なの?謎は深まるまかりだ。


〇●〇●〇●〇●


「え~っと、この鍋なら大匙三杯くらい入れればいいのかな?」

「隠し味ですか?姉兄さま」

「二人に一人が腹をこわす程度の弱毒。『曲者だ出合え出合え!』ってなっても戦力を減らせる」

「それなら、そっちの腐った卵で味付けしたら」

「味でバレるって。それに本物を使うと確率が計算できないからね。全滅したら警戒されるし、死人がでたら可哀想だし。そんなの普通の料理よりスキルがいるわ」

「あぁ、いますよね。三ツ星シェフよりスキルのいるスラム街の食堂。よく食中毒出してないなって感心するような」

「現実世界でもゲーム世界でもね」


 こっちはこっちで、笑顔で恐ろしい会話をしている。


〇●〇●〇●〇●


 その頃、ステッドと少女はアチョウドゥエチグヤァ商会の玄関に来ていた。

 少女の姉、シェリーの名を聞いても「知らぬ存ぜぬ」の一点張りで、必死に食い下がっても取り付く島もなく、困り果てていた。


〇●〇●〇●〇●


 一方、シンディーとスピカは商会の執務室で取り囲まれていた。


「メイドがこんなところで何をしている?」

「もちろん、お掃除ですわよ。旦那様」

「掃除に【隠形】は必要なのかね?」

「たまにはね」

「あくまで惚けるのならばこちらにも考えがあるのだよ。どうせ伯爵の犬なのだろう」

「お館さま?知りませんよ。会ったこともないのに」

「証拠はこれだ。隣のレストランから持ってきた。領収書の名前が『ヌーヤル・バーガー伯爵 様』となっている。一介のメイドが何故伯爵宛の領収書を切れるのだ?」

しまった(しもた)!!『上様』 にしとけば良かった」

「姉兄さま、ケチるからです」

「だって、騙されてタダ働きやん。飯代くらいふんだくってやりたいやん。

ほしたらまぁ【現場保全(プロテクション・)(オブ)防御陣(・トラテープ)】これでこの結界内、この部屋の証拠を動かすことも、隠滅することも、燃やす事すらできないわよ」

「その分【火球(ファイアーボール)】も【火炎地獄(インフェルノ)】も使えんぞ」

「またまたしまった(しもた)!! なーんてね。さっきから何にもしまって(しもて)ないわん。

じゃ、闘いましょうか突撃魔法少女(アサルト・メイジ)ちゃん」


 敵・味方ともに肉弾戦の予感にさりげなく【身体強化(ストレングス)】をかける


「はいはい。MAP兵器のお姉さま」

「舐めるんじゃねーぞ!小娘ども…あれ?なんか人数少ないけど…お前ら!やっちまえ!」

「「「 おー! 」」」


 敵が飛び出してきたタイミングで


「【月の重(グラビティ―・オブ)力場(・ザ・ムーン)】」


 MAP上の重力を六分の一にする。すると、慣れてない敵はシンディーとスピカを追い越したり、天井にぶつかったり。しかも、重力は軽減しても質量は変わらない。となると衝撃は変わらず…さらに【現場保全(プロテクション・)(オブ)防御陣(・トラテープ)】で壁や天井が壊れたりして衝撃を逃がす事もできず…連携技(コンボ)で行動不能にさせてから、月の重力に慣れている二人は、開け放たれてドアから飛び出し、廊下をピョンピョンと飛び跳ねていく。

 ここは三階の廊下であるが、表の方の窓に向かって行く。突き破って外に飛び出す。月の重力と強化された体なら大丈夫だろう…多分。


 ガッシャ―!!


 飛び出した空中から、真下に見知らぬ少女を連れた見慣れたヒゲ面を見つけた。


「ステッド!!!受け止めて!!」

「ステッドに【身体強化(ストレングス)】!」


 ドッスーーン!!


 間に合った。二人は無事受け止められた。


「そのまんま逃げろーーー!!!」

「え?え!え?」


 訳の分からないままに、ヒゲ面の大男は大中小の女の子(?)を担いで走り出した。

まさかこんなに時間がかかるとは。

やっぱり構想も無で書き始めるといかんねw


次回・次々回以降はしばらくは構想の出来てる話が続くので、投稿スピードは上がると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ