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第6話「綺麗な女性にはトゲがある」

――4月27日(日)18時32分――

――プリンスホテル201号室――



そこには電気をつけずにソファにすわりただただ笑みをうかべながらテレビを見ているスーツ姿の若者がいた。


ウイルスをばらまいた本人 0(ゼロ)だ。




テレビではA県A市のゾンビ大量発生のニュースが永遠と繰り返されている


ゼロ

「騒ぐだけ騒いでなにもできないのか、しょせん日本人はクズの集まりだな」


ソファの横にある小さい白いテーブルにはだいたい半分まで飲んだであろう赤ワインのボトル、そしてまだ飲んでる途中であろうワインのはいったワイングラス、そして無線機がおいてあった


ガ………ビービビ…ザーー


無線機から声が聞こえる

「No.0 聞こえますか?No.0」



ゼロ

「ええ♪聞こえますョ なんばーつー☆」


No.2

「予定通り 18時30分までに駅、駅周辺の建物、道路に1000個の監視カメラのセットが完了しました。予定通り作戦Bを実行しますか?」



ゼロは一度ニヤリと笑うとこたえた


ゼロ

「ご苦労様ですなんばーつー☆ちゃんと確認してましたよ♪ そうですネー まだ作戦Bにうつらなくてもいいですよ♪」

そしてまたニヤリと笑うとゼロはこうこたえた


ゼロ

「BにうつるまえにやってほしいことがありますNo.2…」

――4月27日(日)18時32分――

――イトーヨーカドー七階 レストラン街――



「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」


裕はゾンビから逃げきりイトーヨーカドーの最上階にあるファミールというフャミレスの厨房にしゃがみこんでいた。

手には逃げてる最中に手に入れたであろう銀色の金属バットを握りしめていた。


「ち…ちくしょう…なんでこんなことになっちまったんだ…」

裕は混乱しながらも1つ1つ頭に今日おきたことをたたきこんでいた



人を動く屍に変えるウイルス



そのウイルスを開発した0という名の男


今のこの状況


そして


「り…鈴!」


裕はすぐにポケットから携帯をとりだし鈴に電話をかけようとした


だが携帯はゾンビから逃げる最中に落としたらしくポケットの中にははいっていなかった

裕(鈴は…無事なのか…)


裕は唾を飲むと立ち上がった


「い…家に帰るぞ…鈴がまってる」



そう決意した裕は緊急停止しているエスカレーターからおりようとした


そのとき


背中に何かつきつけられている感触を感じた


「そのまま動かないで。動くと撃つわよ」


それは女性の声だった


裕はその女性がいった言葉の意味よりも生きている人に会えた喜びで振り向いてしまった


「あら、撃つっていったのに」



その女性は裕が想像していたよりもずっと美しかった。

上は露出の激しい黒い水着のようなものをつけている 下は軍隊のような動きやすい黒いズボンをはいていた。ショートで黒い髪なのだか顔はすこし日本人離れしていて外国のモデルのような顔をしていた


「どこをじろじろ見ているのかしら」

女性は裕をみつめた

それは裕の心を見透かすかのような目だった

女性の目は右目は透きとおるようなブルー、左目は金色に輝く目をしていた


女性

「あら、可笑しいわね あなたにはこれが見えないのかしら」


女性はふたたび両手にもっているハンドガンを片方だけ構える



裕は鼻で笑うと馬鹿にするかのようにこうこたえた


「ははは、俺はそんなのにビビるような男じゃないぜ」


裕はおもちゃのハンドガンだと思い 鼻で笑ってみせた




女性

「あら、そう…」


そういった刹那 女性はひきがねをひいた

すごく激しい発砲音とともに弾丸は裕の髪の毛をかすめた


ハンドガンは確かに本物だった。


裕はあいた口がふさがらないどころかじゃっかん二年ぐらい老けたようなかんじでその場で固まっていた。


女性「別に殺したりしないわ、見たどころ感染してないようだし…」


女性はクスりと笑うと続けてこういった


女性

「どいててくれないかしら、お客さんよ」


裕は後ろをみるとそこには五匹のゾンビがこちらにむかって襲いかかろうとしていた


裕はあわてて女性の後ろに隠れると女性はゾンビの方向に走りゾンビの顔を踏む台にし空中で四匹の頭を綺麗に撃ちぬいた


そのまま着地をし体を180度回転させ踏み台にしたゾンビの顔めがけ回転蹴りした


ゾンビの顔はふっとび裕の顔めがけて飛んできた


「ひ、あ゛あああ―!!」

裕は間一髪しゃがんでよけた


女性はまたクスりとわらい


女性

「あぁ、言い忘れてたわね 私の名前はルウラ・ロラード アメリカからこのウイルスの調査で日本にきた特殊警察官ってとこかしら、よろしくね」

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