日常編
僕「ただいま」
長男「おかえりー」
三男「パッパ、おっかえり」
結婚して7年。のどかな田園広がる地に念願のマイホームを建てて二年が過ぎた。特別美人ではないがクラスで3番目にモテたであろう妻と共に僕なりの幸せな家庭を築いていた。
しっかり者で来年から小学生の長男君。まだまだ甘えん坊の次男君は年少さん。そしてお兄ちゃんを必死に追いかけ回しているのは、最近どんどんおしゃべりになる2歳の三男君だ。
電車を乗り継ぎ一時間半かけて都内にある会社から帰ると、20時を少し回っている。妻が持たせてくれる、冷凍食品を詰めたお弁当箱をさっと洗うと、子供達とのお風呂が待っている。疲れて帰ってきた時に子供達とのお風呂が何よりの癒しだ。
長男「お風呂から出たら恐竜しよ!」
三男「きょうりゅー、すきーーー!!」
僕「そうだなー。今日はちょっと疲れたし、ご飯食べたらのんびりしたいな」
長男「えー、つまんない」
次男「パパは疲れてるんだよ。一緒にテレビみよう」
僕「テレビ見たいね。今日は仮面ライダー見ようか。ママー、そろそろ子供達出ます」
お風呂から出ると、僕が帰る前に晩御飯を済ませた子供達はテレビに夢中だ。僕は子供達の後ろ姿を眺めながら晩御飯を済ませると、誰よりも先に寝室へ行く。6畳の和室に布団を敷き詰め、家族5人川の字ならぬ州の字で眠る。朝早い僕は一番に寝てしまう。リビングから聞こえる妻と子供達の楽しそうな話し声は心地よい子守唄だ。今日も平和で平穏な1日が終わる。
寝相の悪い子供達に蹴られて目が覚めたのは夜中の2時だった。今しがた見た夢はとても幸せな夢だったな。
妻には言えないが、最近僕は夢を見る。それは20代前半の頃に付き合っていた彼女との夢だ。彼女とは3年半付き合っていた。そろそろ結婚してもいいかなと思っていたが、つい出来心で浮気をした事でその関係は終わってしまった。ここ一週間、彼女との結婚生活を夢で見るのだ。あのまま結婚していても、幸せだったのかもしれないな。
妻との結婚生活に不満もなく、夢の中でだけは昔の彼女と浮気をして、こんな幸せな日々が続くといいな。明日も仕事だ。また夢の続きを見れるだろうか。
子供達にそっと布団をかけて、再び眠りにつくのであった。