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7肩凝りーノートの切れ端ー

この子。

今、はっきりと言ったよね。

明智光秀って。。


怖くなって教室の窓側の隅に後ずさり距離を取った。頰にカーテンの感触。


なんで、この子は、知ってるの。


キーンコーンカーンコーン


「二時間目が始まっちゃうね♪

あとで答え聞かせてね〜」


そう言って何事もなかったかのように席に戻っていった。

同時に先生が教室に入ってきて、黒板に数式を書き始める。


色々じっくり考える時間もなく、席に戻る他なかった。


『ご主人様。

あの女子(おなご)は、一体どういった方なのですか』

『それに』


うん、わたしにも分からない。

分からなく、なった。


教科書やノートを開きながら、

とにかく頭を整理する。


教卓の目の前の席の男子。

彼の寝姿に、守護霊様は心当たりがあると言った。


偶然の一致なのかもしれないが、過去に明智光秀と関係のある人物が取り憑いてるかもしれない。


そして、わたしの前の席の、この子。

間違いなくわたしが、明智光秀の霊を宿していると知っているとしか思えない発言をした。


肩凝りがなくなればいい。

ただそれだけの軽い気持ちで尋ねてみたのに。


織田信長の幽霊に取り憑かれている人が、偶々知り合いにいれば楽だから。


なんだか大事になってきた気がする。

・・・一層肩が重い。

結局エクソシストに声をかけられなかったし。


ノートに因数分解の公式と例題を書き写しながらふと教卓の目の前の席に目をやる。


彼が、いない?

『いつの間に』


1時間目の社会は確かにあの席で授業を受けてたよね。


反省文を書かされているのだな。

授業中エクソシストになってすみませんって。


次の3時間目は担任の先生による生物の授業だけど、産休中なので今日は自習の予定だ。


教室の隅の席なのが幸い。

3時間目に、目の前の席にいるこの子に疑問を問いただそう。


んで、お昼休憩はエクソシストだ。


例題を解き終わると、ノートの切れ端が右隣の席から音もなく机に置かれた。


高校で1番の仲良し!(うた)ちゃんからだ。


贔屓目なしで学年1かわいいと言っても過言じゃない彼女の頭には、幅の大きな青い瑠璃色のカチューシャがよく似合っている。

それと大きな目。見た目は日本人だけど瑠璃色の瞳が目を引く。


心まで美人ともっぱらの評判だ。

いつものように、わたしの肩凝りへの労いが綺麗な字で書かれているのだろう。


心で惚気ながら切れ端を裏返す。

【明智光秀の幽霊が見えるって、ホント?】

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