3肩凝りー光秀の願いー
・・・あけち“じゅうべえ”みつひで?
明智光秀と、どん兵衛なら知ってるけど。
おんなじ人?
お母さんに守護霊様の名前を伝えてみる。
「そうそう。その明智光秀様よ」
明智光秀の名前は中学校の社会で習った。
確か、織田信長を裏切って本能寺の変を起こしたんだっけ。
今度はわたしの肩に異変を起こしている、と。
とにもかくにも、1つ明確にしたいことがある。
この肩凝りが治るのかってことだ。
ママはサッと夕飯作るから、その間2人で話し合ってみなさいって。スーツを脱ぎながら台所へ行った。
はぁ。仕方なく部屋に戻って明智光秀と話すことにした。
「あの。この肩こりは治りますか?」
『・・・おそらく治りませぬ』
開口一番明確にしてくれた。
ならばやるべきことは1つ。除霊やらお祓いだ。
『既に、そういった類のことは試されておられます。
某も色々な方法を考えては、これまでの依り代様にお願いしてまいりましたが・・・』
目には見えないが、手に取るように。
いや、肩で取るように、守護霊様の気分が沈んでいくのが分かる。
帰宅を出迎えるわんこみたいな仔象とも思える圧が肩にもたれる。
これって。ママみたいに、わたしに子供が生まれるまでこのままなのかな。
『某が現世にとどまったことには、或る願いがあってのことなのです。その願いが叶えば・・・或いは」
ある願いって?
『信長様に、
本能寺の変をお詫びすることです』
次筆に続く




