22肩凝りー対峙①遅刻ー
水曜日
んー・・・。起きた。起きたぞ。
日の光が部屋中に注いで明るい。
カーテンが全開だ。
陽光に乗って微かに吹き込む風が心地よい。
気怠さは結構なくなってて、体を起こすとポキポキっとあちこちが鳴った。
あれ?
そういえばさっきから、お母さんの気配がない。
いつもこのくらいの時間には、慌ただしくもまったりしてる音が声が聞こえるのに。
そういえば今何時だろ?
本棚の上に置いてある目覚まし時計に目を向ける。
アラームを止めて二度寝するという事故を防ぐ為に、簡単には手の届かないところに置いてある、小学校から使ってる愛着のある時計。
・・・1 0時?
『巳の刻ですね』
えっ!?10時じゃん!!
昨日は解散して、すぐ泥のように寝たよね。
・・半日も寝てた!?
『おはようございます』
ちょっと起こしてよ!
お門違いな怒りをぶつけて飛び起きる。
そういえば昨夜は疲れ果てて、目覚まし時計をセットし忘れてた。
・・・飛び起きれる?
ちょっと冷静になって背伸びしたり屈伸してみる。
うん。健康。
速攻で窓とカーテンを閉める。
あとはシャワーだけして学校行こう。
『気を引き締めて参りましょう』
10時半。新鮮な光景。
授業中の学校は静かだな。
正門の横に備え付けてある錆びた鉄扉から中に入る。
教室に向かう階段で、丁度2時間目が終わるチャイムが鳴った。
授業中に教室入るのはちょっと気が引けるからラッキー。
そんなことを思いながら扉に手をかける。
ガタッ、ガタガタッ
あれ?開いてないし。ていうか誰もいない。
3時間目体育館で体育だったっけ?
体育なら、1、2組合同だから、
3組の人は教室にいるはず。
・・・あれ?誰もいない。
4組の教室も。
まさか今日祝日?
先生がいたらまずいから、
一旦トイレに避難してから詩ちょんに電話してみる。
「・・・もしもしひかりょん?具合はどう?」
「すっかり大丈夫だよ」
電話に出たってことは学校じゃないな。
やっぱ休み?まだ疲れてるのかな。。
「ぇえっ!?学校にいるの??!
えっと、、ひかりょん実はね、、
昨日夜遅くに、学校の近くで暴行事件があったらしいの。
犯人が捕まってないから、とりあえず午前中は自宅待機になったんだよ!連絡網来てない?」
ええー!!
一旦スピーカーにしてメールを見る。。
from ママ
件名 午前の授業がなくなったのでお家にいてね!
・・・やらかした。
折角、授業合間のグッドタイミングに来れたって言うのに。
『次の連絡網とやらが来るまでは学校にいるしかありませんね。しかし、人が居ずとも鳴る鐘とは便利ですね』
・・・寒気が走る。
そうだよ。誰もいないのにチャイムが鳴ったんだ。
もしかして先生がいる?
もしかして犯人が、学校に逃げ込んでる?
考えるほど怖くなってくる。
「ちょっとひかりょん?・・・大丈夫だよ!
これからベンチちょん呼んで学校に行く!
澤先生にも連絡するから!
何かあったらすぐ連絡して!」
電話が切れると急に心細くなった。
『ご主人様。笛を常に構えていてください。
いざ、という時は、某がついております』
心強い。
笛は防犯ブザー代わりになるかもだし。
鞄からアルトリコーダーを取り出した。
とりあえずトイレの1番奥の部屋で隠れて過ごそう。
時たま窓から門の方を見るけど、人影はない。
コツッ コツッ
・・・!!!!
遠くで足音が聞こえたっ。
一階から、わたし達のいる二階に上がってきてる?
『落ち着いて。冷静に音を感じてください』
少しずつ音が移動して、
少しずつ近づいて来てる。
誰だろう。先生かな?警察とか?
とにかく犯人じゃなければ誰でもいい。
くうう判断材料が欲しい。
・・・足音は二階に来た。
トイレは階段のすぐ隣だ。
足音はそこで止まった。
一瞬の無音。
足音の主は、階段の中腹にある窓から外でも見ているのだろうか?
はたまた、廊下に出て奥まで見渡しているのだろうか?
思案していると、足音は再び歩き出す。
トイレを通り過ぎて、教室の方に向かっていった。
音が聞こえなくなるまで待っていると、
『気を強く持ってください。
それと、この狭い場所では何かあった時逃げることもできませぬ。ご決心を』
光秀の意思は固まっているらしい。
はぁあ。
小さく、深く、息を吐く。
意を決する。
ばっちいけど、上靴を脱いだ。
「嫌なカンジ〜・・」




