2肩凝りー明智十兵衛光秀(肩凝り)ー
今に忘れ去ろうとしていた言葉が、ママの口から飛び出した。
言葉に詰まっていると、両肩を優しく掴んでくれた。
いつになく真剣な眼差し。
「あんたが聞いた声はね、アタシ達を守ってくださっている守護霊様の声なの。
お母さんのお母さんも、おばあちゃんも聞いてきたのよ。だから心配しなくていいからね」
うー、うん。よく分からない。
けど、ママの手の温もりで少しずつ落ち着いてきた。
でもなんで、その声が聞こえるの?
「なんでって、あんたの肩凝りがその答えよ。守護霊様、生前肩凝りがひどかったそうだから。
あたしも、あんたが産まれるまではそれはもうひどい肩凝r」
もういい!答えになってない!
変な声のことも、生まれつきの肩凝りのことも分かった。
だけど理不尽だ。
わたしがこの肩凝りのせいで、どれだけ楽しめなかった人生があると思っているんだ。
肩凝りは人生のスタンダードだって諦めてた。
けど、理由があるなら話は別だ。
守護霊様とやらを成仏させて、こんな生活に終止符を打ってやる!
『怒りに振り回されてはいけませぬ』
あの声だ!!
ママに伝える。また聞こえた。
でも、相変わらずニッコリしたまま、ウンウンと頷くだけ。
こうなったら、今度はこっちから守護霊様とやらに話しかけてみるしかない。
「あなたは、、、守護霊様は、一体何者なんですか」
一瞬の間。
守護霊様なんて、やっぱり、ほんとはいないんじゃないか。
『某は、明智十兵衛光秀と申す』
・・・いた。
次筆に続く




