1肩凝りー肩凝りの主ー
肩が・・・凝る・・・。
重い。張る。力が入らない。たまに痺れる。
箸より重たいモノは極力持たない主義であるわたしの肩が凝るなど、あってはならない。
整体。マッサージ。落ち着くお香や音楽。長風呂。。。
血行が良くなりそうなことはなんでも試してきた。
なのに、まったく改善されない。。
どころか、最近一段と肩凝りはひどくなってきている。
悩んだ末に、いつも帰りの遅いママに相談することにした。
ベッドに潜りながらイヤホンをして、眠らないよう刺激強めのハレンチ音楽を聴いて待っていた時だった・・・。
『肩凝り、さぞお辛いでしょう』
・・・話し・・・かけられた・・?
起こったことを理解して飛び起きる。
心臓の音がする。
誰も居ないはずの部屋。
今鼓膜を震わすことができるとすれば、イヤホン越しのハレンチ音楽だけのはず。
なのに、間違いなく今、
誰かの声が聴こえた。
部屋中を見回す。いつもと何も変わらない。
10秒か。はたまた5分だったか。
時と共に気持ちは収まっていった。
きっと下品な音楽の歌詞だったに違いない。
《君の唇〜♪肩凝り、さぞお辛いでしょう♪噛む〜♪》
うん。間違いない。
ガチャリ。
鍵の回る音が聞こえた!ママだっ。
仕事終わりに、スーパーに寄ったようで、白い袋から長ネギが飛び出している。
「夕飯食べた?まだだったら何かつくろうか?」
いつも笑顔を絶やさぬママが靴を脱ぎながら問いかけてきた。
でもご飯を食べるためにわざわざファッキングミュージックを聴いていたわけじゃない。
一緒に買った物を冷蔵庫にしまい切って、本題を切り出す。
「最近一段と肩凝りがひどくって。。
しまいには、『肩凝り、さぞお辛いでしょう』とかいうファンタジーボイスまで聴こえたんだよ!それはどうでもいいんだけど肩凝r」
「あぁあああー!!!あんたにも聴こえたんだ!」
次筆に続く