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勇者は101人いる(リメイク版)  作者: 酔生夢死
幕間

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33/43

 19.4話 少年、成人になる(後編)

(´ ω `)遅くなりました。

 アレもコレもと詰め込んだら、大分長くなってしまいました。

 特に最後の方は突貫作業になってしまったので、後日変えるかもしれません……(予防線)

 勇樹たちが緑地の外へ向かっていた頃、緑地の外で立ち往生していた他の参加者も異変に気付いていた。


「シュルルル……何か森が騒がしくないか?」


「うむ、先ほどの鳴き声のような音が聞こえてから、この辺りの植物たちがざわめいているな」


 未だに緑地にすら入れていないドルドネとクィルの2人は、目覚めた邪悪王樫の影響で活性化した植物たちの所為で、緑のある所に近づく事すら出来なくなっていた。

 無駄に殺気を撒き散らしながら足を踏み入れようとするだけで、足元の草や頭の上の木がザワザワと蠢き出す。


 すると、それを遠目で見ていたベネルがボソリと呟く。


「この気配に森の尋常ではない様子、コレはもしかすると……」


「ああ、先ほどの鳴き声、アレはあの時とソックリだ。恐らく、この場にいないがやったのだろう」


「クッ、まんまと出し抜かれたというワケか」


「フン、だが挽回の手立ては残っている」


 前回参加者組の2人は頷きあうと、岩から腰を上げて立ち往生している2人に近づいた。




 一方、木の上をピョンピョンと飛び越えて進む勇樹たちは、最初の苦戦が嘘だったかのようにあっという間に緑地の外へ辿り着いていた。

 木から飛び降りて転がるように着地すると、植物に絡み取られる前に緑地から離れた。


「ふぅ、何とか出られたけど……ここどこ?」


「ハァ……ハァ……あ? あー、ここは俺達が入った場所から少し離れてるな。まあ、森の外周をソッチの方向に歩けば元の場所だからそう遠くもねぇよ。どっち道通り道になるから、そっちへ回った方が早いだろ」


「それなら早い内に行こう。僕の予想が正しければ、そろそろ向こうもこっちに気付いている筈だし」


「向こう? こっち?」


 帰りの道中で起り得る出来事に改めて気を引き締め直す勇樹に対し、今まで訓練ばかりで一番に黄金の実を手に入れたという事も相まって、勇樹の言っている事が理解できずにニゲルは首を傾げながら後を追い掛ける。


 植物からの攻撃が飛び出す可能性を考え、勇樹たちは緑地から数mほど離れてその外周を回るように元の場所まで戻ってきた。

 すると何故か、そこに他の参加者の姿はなく、何かと戦った痕跡すらなかった。


 それを見た勇樹は困った様な、納得した表情を浮かべた。


「うーん、これはもう確実にこっちの事がばれてるね……ついでに待ち伏せもしてるのかな?」


「そういう事かよ……でも、それだったら何でドルドネ達だけじゃなくて、他の2人までいねぇんだよ」


「いや、多分だけど提案したのは後者じゃないかなぁ。その2人には前回も試練に参加したっていう情報のアドバンテージがある筈だから、『試練は自分の力で』っていう方針だったら乗らないし、逆にそのつもりだとしても相手は今回初挑戦が一人と普人の子供が一人だから余程のメリットがないと頷けない筈。だけど、もし経験者の方から声掛けしたなら降って湧いた提案に飛び付いてもおかしくない」


「……ああ、ドルドネ達なら絶対に断らねぇな。寧ろどう相手を出し抜こうか考えてる可能性もある」


「ですよねー」


 良くも悪くも狭い村の中の同世代なので2人を良く知るニゲルは、勇樹の予想に頭を抱えて同意する。

 狡賢いと評される要領の良さを持つドルドネとクィルの2人の顔を思い出して、真面目に死に掛けながら黄金の実を取りに行った疲れがドッと押し寄せて、思わず膝を突きそうになる。


 そこでニゲルはふとある結論に思い至った。


「なあ、という事はこの先のどこかで4人が潜んで狙ってるってワケだよな?」


「そうだね。奇襲が失敗して挽回する事も考えれば、そう遠くには行ってないと思うよ。ここへ来る途中にあった岩場なんて身を隠すには打って付けだろうし」


「ど、どうすんだよ! こっちは2人で向こうは4人だぞ!? しかも、向こうには《槍術》スキルLv5以上のベネルとルジールが居るんだ。どう考えたって勝てるワケないだろ!?」


「や、こっちの勝利条件を考えれば、それほど難しくはないんじゃないかな?」


 そもそも、勇樹はその好奇心から黄金の実を複数持っていて、後はその中から一個でも持ち帰れば試練はクリアなのである。


 それに対してドルドネ達4人は勇樹たちが黄金の実を幾つ持っているのかを知らず、奪い取れるかも不確定で、普通に考えれば勇樹とニゲルで一個ずつしか持っていないとすれば、最高でも2個しか手に入れられない。

 とすれば、その先に待っているのは4人での奪い合いしかなく、4人もそれを承知している筈である。


「手っ取り早いのはアレだね。里まで一気に駆け抜けて、4人の間を抜ける時にコレを1個だけ落として行けば丸く収まるよ」


「いや、それは色々と丸く収まってねぇだろ……」


 神話に出てくる不和の林檎の如き提案に、結果が見えすぎてニゲルは力なくツッコむしかなかった。

 そんな事に全く頓着した様子もない勇樹は、改めて黄金の実に括り付けた紐と袋に穴が空いていないかを確認すると、しっかりと結び直して立ち上がった。


「よし、ひとっ走り山下りと行こうか!」


「はぁ、本当にこんなんで大丈夫なのかよ……」


 そう言いつつニゲルも右手に槍を握り直し、左手に黄金の実をしっかりと抱え込んだ。




 勇樹の予想通り、まだ緑地にすら入れていない4人は少し離れた大岩の陰に身を隠して、勇樹たちが通りかかるのを待ち伏せていた。

 大岩の陰から顔を覗かせたクィルが首を引っ込めながら口を開いた。


「シュロロロ、まさかこんな近くに隠れやすい場所があるとは。先達様様だな」


「それで? 奴らはまだ来ていなかったか?」


「いや、まだ姿は見えなかったぞ。我らが居ないのを見て、暢気に歩いているのではないか?」


「シュルルル、あの頭のおかしい普人の子供ならば、目的を遂げて終わった気になって油断しているだろうな!」


 全く根拠のない理屈で既に成功した気でいるドルドネ達に対し、ルジール達は何を言うでもなくただジッと待っていた。


 太陽が横に見え始めた頃、クィルが声を上げた。


「来た! 奴らが来たぞ!」


「シュルルル! 何も知らずにノコノコやって来たか!」


「い、いや、それが奴ら、何故か物凄い速さで駆け下りて来るぞ!」


「ッ! 不味い、我らの思惑がばれている。行くぞ!」


 クィルの報告を聞いたルジールは慌てて槍を取って飛び出した。

 ルジールの行動に驚いた3人も、後を追う様に槍を取って岩陰から出る。


「ハッ!!」


 風を断ち切る轟音と共に槍を降り下ろしたルジールが、勇樹たちの目の前の地面を砕き躍り出た。

 予想通りの奇襲に勇樹たちは驚いて足を止める事なく、2人は両サイドから回り込むように別れた。


「シュルルル」


「そうはさせるか!」


 ルジールを抜けようとしたところへ、ドルドネとクィルが勇樹たちに襲い掛かって強引に足止めに掛かった。

 1回目の奇襲を回避して油断したニゲルは仕方なく足を止めてクィルの槍を受け止める。

 対して奇襲には慣れ切っている勇樹は、速度を落とす事無くあっさりとドルドネの一撃を躱して通り抜けた。


 そのまま走り抜けようとした瞬間、後ろと横からの殺気を感じ取り、勇樹は大きく跳び下がった。

 その直後、力強い風切り音と共に勇樹の服の端がスパッと斬れる。


「ふん、やはり赤賢竜様から目を掛けられるだけの事はあるな」


「おい! その普人は俺が先に目を付けた獲物だ! 先輩方は遠慮して貰おうか!」


「チッ、彼我の力量も分からん阿呆が」


 奇襲が成功して明らかに浮ついているドルドネの抗議に、ベネルは舌打ちして失望混じりに呟く。


 その間もベネルとルジールは勇樹から一切視線を離さず、一瞬の隙も逃さぬように警戒しながらジリジリと距離を詰める。

 二対一では無傷で通り抜けるのは無理だと判断した勇樹は、そろそろ不和の林檎作戦をしようと僅かに肩が揺れた瞬間、2人もそれに反応して動き出そうとした……が、そこへ割り込むようにドルドネが勇樹へ襲い掛かった。


「シュルルル! 貴様の実を俺に寄越せ!」


「あの糞がっ!」


 ベネルは考えもなしに襲い掛かったドルドネを吐き捨てるように罵倒する。

 すると、ドルドネの攻撃を少々大袈裟に避けた勇樹の手から、黄金の実が一つ転がり落ちた。


 その瞬間、勇樹に注目していた3人の目が一斉に黄金の実へ集まった。


 最初に動き出したのは――ベネルだった。


「そ、その実は俺の物だぁ!」


 考えても見て欲しい。

 成人の儀に失敗した者が、数百人規模の狭い里の中でどのような立場に立たされるか、同世代で既に成人として扱われる者もいる中で、自分は未だに取り残されるという劣等感と焦燥感。


 そもそもベネルとルジールも前回の試練の時には、勇樹の予想した通りに日が落ちて暗くなってから緑地に入り、一度は黄金の実を手にしている。

 だが、今のベネルたち同様に参加者たちから実を奪われて、一年もの間はただひたすら悔しさしかなかった。


 普段は粗暴にして隠していた感情が、目の前に転がってきた黄金の実を見た瞬間に弾け飛んだ。


「な、なにを」


「どけっ! それは俺の物だ!」


「煩い! それは俺が貰う!」


 先輩共の豹変ぶりに戸惑うドルドネに対し、ベネルとルジールが黄金の実を中心に激しく打ち合い始める。


 ベネルが槍を突き出せばルジールがそれを払い、一歩足を出ればそれを蹴り飛ばして自分が前に出る。

 腕や足に尻尾までぶつけ合いながらもお互いに一歩も譲らぬ激しい攻防に、ドルドネは思わず圧倒され手を出す事すら躊躇(ためら)う。


 その傍らでコソコソと動く影がいた――勇樹である。

 気配を消した勇樹はこっそりとニゲルと戦っているクィルに近づき、クィルが攻撃を仕掛けようとしたタイミングで足を払った。


 当然、バランスを崩したクィルをニゲルが見逃す筈もなく、渾身の力で槍を降り下ろした。


「ぐげぇ!?」


「よっし、勝ってぇ!?」


「はいはい、勝ったのはいいから行くよ」


 クィルに勝った事に浮かれそうになったニゲルの頭を鞘で叩き、争っている2人の向こう側を指差した。

 それを見たニゲルは口を閉じると無言で頷いた。


 呆然としているドルドネの後ろを音もなく通り過ぎると、勇樹が何かを拾い上げる。

 勇樹の仕草にニゲルは不思議そうに首を傾げると、充分に距離を取ったところで勇樹はソレを引っ張り上げた(・・・・・・・)


「な!?」


「むっ!」


「なっ、アイツらいつの間に!?」


 勇樹が手繰り寄せたのは、ここへ来る前に勇樹があらかじめ黄金の実に括り付けてあった紐であった。

 空が赤らんできた時間帯に加え、事前に少し土を掛けて汚していた事もあって、実に紐が括り付けられている事にベネル達も気が付かなかった。


 突然、足元の木の実がひとりでに飛んで行った事に驚き、3人の視線が同時に木の実を追いかけ、その先にいた勇樹の姿を捕える。


「「貴様っ!」」


「じゃ、僕たちは先を急ぎますんで!」


「「逃がすかぁ!」」


「ハッ、ま、待てぇ!」


 軽く手を振って走り去ろうとする勇樹たちをベネルとルジールが執念に満ちた形相で追いかける。

 その後を、少し遅れて我に返ったドルドネが追いかける。


 3人に追いかけられ必死に走りながら、ニゲルは勇樹に近づいて叫んだ。


「おい! 態々(わざわざ)、落とした実を回収する、必要があったか!?」


「全然! 強いて言うなら、単なる嫌がらせかなっ!?」


「ははっ、そりゃ仕方ねぇな!」


 勇樹もニゲルもここへ来るまでにすっかりボロボロになっており、体中から漏れ出る血の臭いが付近に生息するモンスターを呼び寄せる。


『ギギーッ』


「チッ! 邪魔だぁ!」


『シャー』


「クッ、何でこんなにモンスターが襲って来るのだ!」


 但し、2人は猛スピードで山を駆け下りているので、臭いに釣られたモンスターが来る頃には当に通り過ぎ、後ろから追いかけるドルドネ達が狙われる羽目になっていた。


「何としてでもアイツらの足を止めろっ!」


「里の門を潜られれば終わりだぞ!」


 妨害強奪なんでもありのこの試練にも、唯一ルールが存在する。

 それは『里を出た瞬間が試練開始であり、里に入った瞬間に試練は終了する』という事、つまり里の中へ入ってしまえば勇樹たちには手が出せないという事である。


 竜人の里で成人の儀が行われ始めてから今日(こんにち)に至るまで、二度目の試練に落ちた者は存在しない。

 何故ならば過酷な環境で生きる竜人に弱者は要らないと、黄金の実を二度目も持って来られなかった者は里に入った瞬間に竜人の戦士に殺されるからである。


 一見厳しい仕来りだが、戦えない者を篩い落とす事で強者を残して過酷な環境を生き抜く竜人族の知恵でもあった。


 前回の試練に落ちた2人はそれを散々言い聞かされてきた事で、余裕を失っていた。


「その実を寄越せ!」


「鱗も生えぬ普人風情がぁ!」


 最早恥も矜持も捨てて必死になり、襲い掛かってくるモンスターを切り倒しながら鬼の形相で勇樹たちの背中を追い掛けるベネルとルジール。

 しかし勇樹は勿論の事、度重なる乱戦によるレベルアップと勇樹に飲まされた秘薬の強化(バフ)効果で速くなったニゲルにすらも追いつけない。


 追いつけないと察したベネル達が、最後の手段として槍を投げようとした時、勇樹が肩越しに振り向き目が合った。

 ――そして、その眼を見てしまった。


「「ッ!?」」


 目が合った瞬間、脳を貫く様な衝撃が2人を襲い、理解してしまった。


 それは勇樹が竜の砦で常に晒されてきた“威圧感(プレッシャー)”、特に最後の数日間は一瞬で呼吸すら詰まる殺気を何度も受け続け、死んでも蘇るという異常な状況下で死の境界線上を走り抜けた結果の先に身に着けた、“死の気配”とも呼べる本能が嫌悪する感覚だった。


 ――あと少しでも近づけば、その瞬間に命が終わる。

 里を出た事がなかった故に、体験した事のない全く未知の感覚の判断を下したのは2人の生物としての本能だった。

 死への恐怖が2人を大きく飛び下がらせ、勇樹たちが里の門へ向かうのを見送っていた。


 恐怖して立ち尽くしたベネルとルジールは心が折れた……などという事はなく、すぐさま反転して予定通りに夜の緑地へ侵入する作戦に切り替える。

 この程度で心が折れて動けなくなる程、竜人の若者は軟な訓練をしていない。


 逃げ場のないすり鉢状の訓練場で行われる訓練という名の乱闘では、立ち止まった者から蹴落とされ、寧ろ蹴落とされた者を踏ん付けて行くくらいは平気でやらかす。

 故に一瞬でも不可能だと思った事はスパッと諦め、別の方法を取るというのが体に染みついていた。




 一方、竜人の里の方では勇樹たちの帰りを、苦虫を噛み潰したような顔の(おさ)たちが出迎えていた。


 苦々しい雰囲気を漂わせている長たちの空気を無視して、ドラグニールが拍手をしながら2人の前へ出てきた。


「おーおー、もっと掛かるかと思っておったが、まさか日が落ちる前に戻って来るとは思わんかったぞ」


「あ、赤爺、ただいまー。はい、これお土産」


 そう言って勇樹がドラグニールに手渡したのは、幾つもの黄金の実が詰められたお粗末な網袋だった。

 それを見た瞬間、周囲の竜人たちがざわめいた。


「あー、こりゃまた随分と取ってきたのう……これだけあれば参加者全員に配っても余りそうじゃのう」


「結構沢山成ってたから何となく集めてみました! ところでこの実って美味しいの?」


「うーむ、不味くはない筈じゃが、どちらかと言えば薬の素材じゃな。確かここでもコイツは薬として……」


「ま、待って頂きたい!」


 ドラグニールの話に割って入ってきたのは、勇樹の試練参加に反対していた(おさ)だった。

 (おさ)は2人から注目を受けて身をビクつかせながらも、意を決して口を開く。


「悪いがまだ成人の儀は終わってはおらん。持って来た黄金の実を祭壇に置き、天竜様に捧げるのだ」


「あ、そうだったの? じゃあ……」


「言っておくが、ソレは貴様が赤賢竜様に捧げた(・・・)分である。天竜様へは他に用意するのだな!」


 (おさ)の言い分に長老たちからは肯定的な声が、若者たちからは非難の声が上がる。

 してやったりと、(おさ)が勇樹を見ると……特に慌てた様子もなく平然としていた。


「あーうん、まさかここまでお約束な反応だとは思わなかったよ」


「何を言っている? さあ、それよりも早く実を祭壇に置くのだ。置ける物ならなぁ!」


 何としても竜人の儀式に他種族の通過者を出したくない(おさ)は、勇樹が持っていた幾つもの黄金の実は『既にドラグニールにあげた物』とする往生際の悪い主張を始めた。

 当然、そんな主張は赤賢竜であるドラグニールが一言言うだけで簡単にひっくり返るものである。


 が、ドラグニールは敢えて何も言わず勇樹も肩を竦めたまま祭壇へ近づいた。

 それ見て慌てたのは(おさ)である。


「待て、貴様は何をしようというのだ。既に捧げるべき黄金の実は全て赤賢竜様に捧げ、貴様に出来る事など何もないであろう?」


 (おさ)の問い掛けに答えぬまま勇樹は祭壇の前へ来ると、クルリと皆の方へ振り返った。


「そうでもないですよ? だって、アレは赤爺へのお土産(・・・)ですから。キチンと儀式用の実はこちらに確保してありましたから」


 勇樹はそう言って、隠し持っていた最後の一個を祭壇の上に置いた。

 その瞬間、口を開けたまま呆然とする(おさ)たち長老陣に対し、若者たちから歓声が上がった。


 こうして勇樹は過去最速で成人の儀式を通過した。

 これによって勇樹に対する里の若者たちの反応は軟化するが、里全体としては溝を大きくしてより面倒臭い事になっているに勇樹は気付いていなかった。


 最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

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