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#96 ショッキングなショッピング 2
「なんだとテメエ、調子こいてっと奥歯に手を突っこんで、ケツをガタガタいわせますよ?」
「構造的におかしいですわ!?」
両手のふさがった今こそチャンスとばかりに経文がリリアンに飛びかかるけど、凶に荷物を押しつけられて未遂に終わる。
荷物を持たされた経文は文句を言おうとした直前で、それが何なのか気づいた。
「こ、これはパーティーパック!」
パーティーパックとは経文がよく買うチェーン店にある、チキンやビスケットやコールスローサラダをまとめてバケツみたいな容器に突っこんだ豪快な商品で、普通はクリスマス限定なんだけど、この蟹爪町では強気なのか無謀なのか一年中売られてる。
「さっきからいい匂いがすると思ったら! 私はてっきり、凶サマの体臭が私好みに変わったのかと思ってましたよ」
「人間の体臭は、そう簡単に変わりませんわ!」
「それ以前に、どうしたら体臭がフライドチキンになるんだ……」
論点のずれすぎたふたりの言い合いに、凶もツッコまずにはいられない。




