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#92 サポートのレポート 1
「照らし、て、る……と。こんなもんですかね」
平日の午後。
マンションのリビングで、経文は凶の母親、幸に見せる報告書をワープロソフトで書いてる。
内容はつい先日、東京マッスルランドで起きた餓鬼の件について。
「後で誤字がないかチェックするとして、とりあえず休憩しましょう。このローマ字入力ってやつは、何度使っても慣れませんねえ」
経文はぼやきながら、凝りをほぐすように首の後ろを叩く。ノートパソコンは凶と共有してるから、勝手にかな入力に設定を変えると、戻し忘れて後で凶に叱られるのだ。
ちなみに壁紙をこっそり犬の交尾やライオンの交尾や水牛の交尾といった微妙な画像に変えて、凶の反応を見るのが経文の密かな楽しみでもある。
「それにしてもこうして読み返すと、やっぱり焼子のやつ凶サマにくっつきすぎですね。いっぺんシメてやらないといけません」
書いたばかりの報告書を見直しながら、緑茶をすする経文。
その様子だけ見ると、家事を一通り済ませて昼ドラを観る専業主婦とそんなに変わらない。




