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#89 クローズザ暗黒ゲート 1
そしていくら組織立って動いてても、餓鬼は食欲から逃れられない宿命。近くで食べ物の匂いがして、冷静でいられるはずがない。
その結果、罪庵を含めた全ての餓鬼が経文とチキンに目を奪われてる。
それを見逃す焼子たちじゃない。
駆けこんだ焼子の縦笛が、餓鬼の腹を正面から薙ぐ。
そのまま後ろにいた餓鬼、さらにその後ろの餓鬼と次々に両断。
笛が短くて届かない位置にいる餓鬼は、ナンが蹴りで粉砕する。
そして動けない罪庵を、焼子の縦笛とナンのハイキックが同時に襲う。
「口惜しや……」
地の底から響くような声と共に、罪庵の体が崩壊を始める。
同時に、開きかけてた餓鬼道との扉もまたゆっくりと閉じて、やがて完全に消失する。
完全に消えてなくなる寸前、その隙間から垣間見えた世界は……、ここで語るべきじゃないだろう。
「やったぞ経文、おまえが餓鬼の気をそらしてくれたおかげだ!」
「え? ああ、まあその、私の作戦勝ちってことですね」




