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#85 非サイバーなパンク 1
「わわわわわ、ちょっと待って待ってちょっと無理!」
突然倍増した攻撃に、焼子が慌てて声をあげる。
何しろ四方八方から襲いかかってくるもんだから、いくら倒しても休むヒマもない。
するとこれまで焼子の肩に乗って助言をしてたベンさんが、彼女の耳元でささやく。
「むむう、焼子様、かくなる上はアレを使うよりなさそうですぞ」
「そうだね、ベンさんお願い!」
焼子は叫びながら、カバンからスマートフォンを取り出す。それと同時にベンさんの体がキラキラと輝いて、スマホの中へと吸いこまれる。
そして待ち受け画面に映し出されたのは、白黒のドットで構成されたQRコード。
焼子は自身の戦闘能力が高いから普段の仕事ではあまり使わないけど、本来の戦闘スタイルはイタコである。
スマホの画面に映した霊魂のコードを網膜で識別することで、その霊を憑依させて能力を自分のものにできる。
守護「霊」であるベンさんが、いつも焼子の傍にいるのもそのためだ。




