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#82 黄魔術VS餓鬼 2
「私はちょうどいい機会だから、これを試したかったんだ」
そう言って腰のホルスターから取り出したのは、コーヒーショップの持ち帰りによく使う感じのタンブラー。
「私はあれから考えたのだ、カレーに異物が混入しない方法を。そして試行錯誤を重ねた結果、こうしてタンブラーに入れれば、いちいち鍋を持ち歩かなくてもよいことを発見した。しかもこれなら冷めないし、スプーンもいらない。画期的な方法だ」
「むしろ今まで思いつかなかったことのほうが疑問なんですけど」
「それは僕も否定しないけど……」
後ろで凶たちが微妙な反応をしてるのもスルーして、ナンはタンブラーを手に周囲の餓鬼を見回す。
「そういうわけで、諸君には改めて黄魔術最強をアピールするための実験台になってもらおう。悪く思うなよ」
そう告げて、タンブラーを傾けるナン。餓鬼たちの間に緊張が走る。
「!」
ナンの動きが止まった。
「どーしたの?」
「何かアクシデントが?」
尋ねる焼子と凶に向かって、ナンは真顔で答える。
「飲み口にジャガイモが詰まった」
「入れる前に考えろよ!」




