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#79 積年のハングリー 1
放棄された建築資材や段ボールが山のように積まれた上に餓鬼たちが座りこんで、あちこちから奪ってきたらしき食べ物をむさぼり食ってる。
その食べ物はサンドイッチ、おむすび、焼きそば、アイスクリーム、クッキー、揚げる前の鶏肉、卵焼き、ハンバーグ、ウサギの形に切ったリンゴ、漬け物、エビフライ、生クリーム、などなど。さっき奪ってきた砂糖もある。
けど、いくら食べ続けても餓鬼たちに満腹する様子は見られない。満たされることのない飢えと渇きに、常に苛まれてるのだ。
「ようやく見つけましたよ。唐揚げ棒の恨み、今こそ晴らすときです!」
食べ物の恨みを抱えた経文が真っ先に突撃しかけたところで、不意に山の奥から何者かが現れる。
「我らが領地に何の用だ」
現れたのは1体の餓鬼。けど他の餓鬼と比べると体がやや大きくて、着てるものも多少作りがいい。どうやらこいつが親玉のようだ。
「なーにが領地ですか! 人間の世界にいる時点で、餓鬼はアウェイが確定してるんですよ!」




