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#75 不毛の売店 2
「待たれよ経文殿。上係殿のお世話役とはいえ、今の暴言は聞き捨てならぬぞ。焼子様を愚弄するとは言語道断、なます切りにしてくれる」
「ハッハーン、そんなカッターナイフより小さい刀で何が切れるってんですか。私は江戸に幕府ができる前から式神やってるんです、侍の1ダースや2ダース、小指1本で殲滅してやりますよ」
「何だと!?」
本筋と関係ないところでヒートアップする経文とベンさん。
放っておくと何をしでかすかわからないから、凶と焼子が手分けして止めに入った。
「経文、その辺でやめておけ」
「ベンさんも! 仲良くしなきゃダメだよ」
経文もベンさんも、それぞれの主人から言われたら逆らえない。
互いに握手をして、上辺だけの和解が成立した。
といっても、一般の人にベンさんは見えないから、経文が奇行に走ったようにしか見えてないんだけど。
「言っておきますけど、今だけですからね。この茶番のケリがついたら、改めて人生の先輩に対するリスペクトってものを教育してやります」
「望むところだ。無駄に馬齢を重ねたお主に、真の武士の強さを見せつけてくれる」




