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#73 あふれ出る公私混同 3
「きょ、凶サマ!?」
うろたえる経文の胸ぐらを掴んで、凶がドスの利いた声ですごむ。
「おい経文、僕は絶対について来るなと言ったよな? フリじゃないとも言ったよな?」
「い、いえ、私はそんな知性溢れる名前ではありません。私たちは愛を求めて世界を旅するラブラブ探検隊です。どぅどぅびどぅばどぅどぅ!」
「あ……あい、愛、愛愛愛」
「ナンさんも無理に乗らなくていいですから」
経文の無茶振りに困惑しながらも、律儀に乗ろうとするナンをたしなめる凶。
「そんなことより聞いてくださいよ凶サマ」
「ずいぶん早い段階で設定投げ出してきたな」
ラブラブ探検隊などという珍妙な設定を延々引きずられても困るけど、ここまで速攻で放棄されるとさすがにツッコみたくもなる。
「いえ、入って早々に凶サマを見失ったもんで、休憩も兼ねて何か食べようと思ったら、このクソ遊園地のクソ売店に勤めてやがるクソ店員がですね、唐揚げ棒が売り切れだとかぬかすんですよ」
「とりあえず、おまえはここの関係者各位に謝れ」




