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#72 あふれ出る公私混同 2
「そんなことないよ? ちゃんと報告が来てるもん。荷物が荒らされたとか、持ちこんだお菓子がなくなったとか」
「アトラクション関係ないじゃないか……」
呆れる凶を気にする様子もなく、焼子はファイルをカバンに戻してから園内を指差す。
「それより私、いっぱい叫んだらのど渇いちゃったよ。ジュース買おうジュース」
「今飲んだばっかりだろ」
ぐいぐい引きずられる凶の頭上で声。
「拙者ヘーゼルナッツフラペチーノを所望いたす」
「ベンさんまで……」
ていうか遊園地の売店にそんな凝った商品置いてない。なんてツッコミを入れる余裕さえ与えられず、凶はただ焼子に引かれてく。
そして売店に来てみると、どうも様子がおかしい。
「唐揚げ棒が売り切れってどういうことですか!?」
「申し訳ございません」
店員にものすごい勢いで詰め寄ってる迷惑な客がいる。
嫌な予感を抱えつつ、おそるおそる凶が覗きこむと、案の定見覚えのある姿がそこにあった。
「何をしているんだおまえは」
後頭部に凶がハイキックを入れると、経文はそのまま顔面から地面に激突。




