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#66 謀略のエントランス 1
そして日曜日。
東京マッスルランドの正面ゲート前で待つ凶の元に、焼子が何故かバンザイしながら駆け寄ってきた。
一瞬「特攻か?」と焦る凶だけど、すぐに彼女は普段からそんなテンションだって思い出して安心する。
「わーい凶くん、遅れちゃってごめーん。待った?」
「おまえは『5分前行動』って言葉を覚えるべきだと思う」
30分ほど待ってようやく現れた焼子に文句を言ってから、彼女の服装がいつもと違うのに気付く。
「あれ、おまえがスカートはくなんて珍しいな」
学校とかで会うときは、だいたい動きやすいようにショートパンツやレギンスのことが多い焼子だけど、珍しく黄色いスカートなんかをはいてる。
そのせいか、普段は意識してないけど焼子も女子なんだなって、当たり前のことを再認識してしまう。
「えへへ、気付いちゃったー? 凶くんと遊園地に来る機会なんてあんましないから、お気に入りの服で来ちゃったー」
「……おまえ、仕事で来ているってこと、理解しているんだろうな」
凶が冷めた目でツッコんでたら、ポンという軽快な音と共に焼子の左肩に煙が上がり、身長15センチぐらいの小さい侍が姿を現す。




