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#58 おぞましき味の世界 3

「……勝った気がしない」


 それからしばらく経過。


 その間にリリアンが意識を取り戻したりみんなで庭を片付けたり、グッタリしたナンを部屋に運び込んで介抱したりと色々あって、凶と経文が研究所を出た頃にはすでに夜。


「まあ実際、手も足もチンチンも出ませんでしたからね」


「チンチンは出さない」


 凶は歩いて、経文はその横に浮かんで家へと帰る。


「けど大丈夫ですよ。凶サマはまだ若いんですから、これから勉強とか訓練とかしてけば、絶対もっともーっと強くて賢い術師になれますから」


 凶の肩に重みがかかる。


 経文は宙に浮いたまま、凶の首に両腕を回してしがみつく体勢。


「おまえにフォローされるなんて、僕も舐められたもんだな」


 経文の方に視線を向けず、凶は歩き続ける。


「……でもありがとう」


「……」


「……」


 無言で歩く凶と、しがみついたまま浮く経文。


 そのまましばらく無言の状態が続く。


「……凶サマすいません。晩ごはんのこと考えてて、話聞いてませんでした。さっき何か言ってました?」


「聞いておけよ! おまえのせいで、色々とぶち壊しだよ!」


 凶は律儀にツッコみながら、本当は経文が聞いてたのかもしれないって考える。


 お互い素直になれない同士、こうして気持ちをはっきりさせずに曖昧なままでいられる関係性を、凶はとても居心地よく感じるのだった。






「それで晩ごはんですけど、唐揚げカレーにしましょうよ」


「おまえあんなの見た後で、よくカレー食べたいって思えるな!?」

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