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#50 砕狂タッグ 1
「凶サマ凶サマ、ハンデなんて生意気なこと言ってるあのキレンジャー女を、ふたりでボコボコにしてやりましょう!」
「僕が今、一番ボコボコにしたいのはおまえなんだけれどな」
馴れ馴れしく肩に手を置いてくる変態ツートップの片方をひと睨みしてから、凶はナンへと視線を移す。
「準備はいいかな? それでは戦闘開始だ。今この瞬間こそが、黄魔術にとって新しい1ページの幕開けなのだよ!」
そう叫ぶなり、人間としてありえないスピードで猛ダッシュしてくるナン。
「――」
凶は慌てて呪文を唱え、チョークを振るって目の前に防壁を張る。
光の壁でナンの突進を阻みつつ、宙に浮かんだ経文が上空で印を結ぶ。
「臨! 兵! 闘! 者! 特! 攻! 野! 郎! ええっ!?」
上から攻撃を仕かけようとした経文が、途中で驚きの声をあげる。
それもそのはず、一瞬前まで地上にいたはずのナンが、自分の頭上まで跳び上がってきてる。
それも片手で鍋を持ったまま。
「神様がくれた辛い辛いミルク&ハニーを、存分に堪能するがいい!」
叫びながら顔面を狙って放たれる回し蹴りを、経文はギリギリのところで回避。
とはいえ、かわすだけで精一杯。とても攻撃どころじゃない。




