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#5 式神は変質者 3

「そんなメジャー式神の経文ちゃんを、あんなザコ相手に使おうっていうんです。それなりの報酬は用意してもらいたいですよね」


「で、条件ってなんだよ」


 凶が尋ねると、経文は邪悪な笑みを浮かべて上空から答える。


「凶サマの鎖骨を、ペロペロさせてください」


「……はあ?」


「凶サマの、さこつを、ぺろぺろ、させて、ください」


「ゆっくり言い直さなくていいよ! ヒアリングの問題じゃなくて、意味がわかんないんだよ!」


「でーすーかーらー、凶サマのまだオトナになり始めていない未成熟なボディ、そのきゃしゃな胸板にうっすらと浮かび上がる鎖骨のライン」


 恍惚の表情を浮かべて、鼻息をムッフーンと荒げながら熱弁を始める経文。


 夜の校庭で誰も見てないからいいものの、その変質者っぷりは、もし誰かが見てたら確実に通報してるレベル。


 現に凶も間近でその様子を見ながら、通報したいって思いを懸命にこらえてる。

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