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#43 黄魔術VS巨乳 2
「スプーン?」
凶が思わず声をあげた通り、ナンの手に握られてるのは食卓で使われるごく普通のスプーン。
フォークやナイフならまだわからなくもないけど、とてもスプーンが戦闘に役立つとは思えない。
相手の眼球でもえぐっちゃうつもりだろうか、なんて凶が思ってたら。
「見るがいい、これが黄魔術だ」
そう言うなりナンは鍋の中にスプーンを突き入れて、中身をすくい取る。
すくい出されたそれは。
「カレー?」
「カレーだな」
「確かにカレーだ」
「カレーですよね」
経文と凶と華香渦が口々に声をあげる。
なんで経文が2回言ったのかはさておき。
ナンが持ってきた鍋に入ってたのは、濃厚な焦茶色でスパイシーな香りを放ち、液体と固体の中間ぐらいに位置する物体。
誰がどう見てもカレーである。
けど、この状況でなぜカレーなのか。
困ったことに、それが誰にも皆目わからない。
「カレーだろうとシチューだろうと知ったことではありません。自ら防具を捨ててしまうなんて、このお馬鹿さん!」
ナンが鍋のフタを捨てた今こそチャンスと見たリリアンが、ここぞとばかりに最大出力で黒魔術を発動させる。




