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#35 暇人と客人 1
上係凶は毎日、学校の授業と帰りの会が終わると九九垣研究所に直行する。
土日は休みだから友達と遊んだりもする。
小学生を働かせると法律的にアレなもんで、客員研究員なんて身分で所属してるけど、やってることは華香渦の研究とか実験の手伝いなんかがほとんど。
とはいえ、華香渦が論文を書くために部屋にこもったりするとやることがないから、学校の宿題をやったり、リリアンにドイツ語を教わったりしてる。
黒魔術研究はイギリスとドイツが最先端で、英語とドイツ語ができればたいていの論文や専門書は読める。
この日も華香渦は部屋で論文書き、凶とリリアンはドイツ語の勉強、経文はエアドラムに没頭と、それぞれ思い思いの時間を過ごしてたところで、玄関から物音。
「リリアーン、チャイム鳴ってますよ」
経文が振り向きもしないで言うと、リリアンもさすがにカチンときた模様。
「ハア? どう見てもこの場で一番ヒマなのは経文さんでしょう。あなたが行くべきじゃありませんか」




