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#30 生けるハラスメント 3
「フン、わたくしにボコられた式神風情が何をほざきますか。あなたなんて凶さんの足手まといにならないように、布団圧縮袋の中に入って掃除機で吸引されていればいいんです」
リリアンに言われた経文、起き上がってわめく。
「テメエ1回勝ったくらいでいい気になってるんじゃねえですよ! 私が不覚をとったのは、ビタミン少が足りなかったからです。私だって少年成分を補充すれば、そのビックリ人間みたいな乳でダンクシュートきめるくらいチョー余裕なんですよ! というわけで、さっそく凶サマの尾てい骨をペロペロして――」
そう言って飛びかかろうとする経文を、凶はパンチで撃墜。
「おまえはこれでも食べて、自然発火して死ね」
「うわあ凶サマ、サンドイッチを口にねじこむのはやめてください! 別のモノを別の場所にねじこまれるのは大歓迎ですけどって、これもサンプルじゃないですか! うおー、ロウイズうおー!」
ロウを吐きながら経文が奇声をあげる。
天才黒魔術師と魔女、人工精霊、そして式神。
蟹爪町はもちろん、日本国内でもトップクラスの能力者たちが集まって、けど何をするでもなく平穏な午後が過ぎる。




