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#29 生けるハラスメント 2

「夕べも担当官は別の場所で処理にあたっていたから、学校の方まで手が回らなかったらしい」


「最近この辺も悪霊増えましたね」


 悪霊は直接人間に攻撃して危害を及ぼすタイプのものもいるけど、そうじゃなくてもただいるだけで近くに住む人が体調を崩したり、テレビや電話の通話に変なノイズが入ったりといいことはない。


 蟹爪町は霊的な研究機関が多いから、中心部は厳重な結界で守護されてるけれど、その周辺は畑ばかりなこともあってガードは緩く、悪霊が発生することも増えてるって次第。


「ま、どんだけ悪霊が湧いて出たって、私と凶サマさえいれば無敵ですから、安心しまくっちゃって構いませんよ。夕べだって凶サマがサポートしてくれましたけど、異形のほとんどをぶっ飛ばしたのは私ですしねー」


 経文は鼻息もハッフーンと荒く、顔面からはがしたサンドイッチをむさぼり食いながら満面のドヤ顔で語る。


「……それロウだぞ」


「道理でマズいと思った、ウギャー!」


 口からロウを吐き散らして悶絶する経文を、リリアンが傲然と見下ろす。

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