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#19 蟹爪研究学園都市 3

「どうして追いてっちゃうんですかぁっ!?」


 凶が経文を放置して研究所に入ってから、10分ほど経過した頃。


 所長の手が空くのを待ちながら、助手にココアを淹れてもらって凶がくつろいでたら、わめきながら経文が乱入。


「白昼夢から醒めたら凶サマいなくてひとりきりで、夕日が沈むしカラスが鳴くしで、なんか無性に寂しくてもう泣いちゃいそうになりましたよ! 女の子をほっといて自分だけ行っちゃうなんて、男としてサイテーですよ! ちなみに下ネタですよ!」


「そんな自己申告はどうでもいい」


 赤毛をぴこぴこ震わせて怒る経文を、凶はココア片手にあっさり遮る。


「そもそもおまえ、女の子って歳じゃないだろ」


「食いつくのそこですか!?」


「だっておまえ、1000年以上生きているってよく言うだろ」


「そりゃそうですけど」


 経文は見かけによらず年期を積んだ式神で、本人いわく安倍晴明を遠くからチラ見したこともあるんだとか。


「けど実年齢がいくつだろうと、気持ちはいつでも女の子なんです!」


 凶が座ってるソファーの隣に腰を下ろして経文がフンガーと熱弁してたら、別のところから声が聞こえてくる。

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