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#15 逆上のディナー 3
「いえ、そうじゃなくて」
その一方で経文は、凶のぶちキレっぷりに臆する様子もなく、平然と答える。
「私が食べるのは10ピースですけど、それだと凶サマの分がありませんよってことです」
「え? ……ああ、そういうことか」
自分が理不尽な勘違いでぶちキレたことに気付いた凶は、顔を赤らめつつも憮然とした表情で、紙箱を出した後の袋からコールスローを取り出す。
「僕はこれでいい。おまえの食べっぷりを見ていると、それだけで食欲がなくなるんだよ」
「ダメですよ、そんな草食系なこと言ってちゃー。ちゃんとお肉も食べないと、背が伸びませんよ」
「……うるさいな」
気にしてることを言われた凶がすごんでも、経文は微塵も気にせず強引に食卓につかせる。
「ホラ、私の1ピース分けてあげますから。食べましょ食べましょ?」
「わ、わかったよ」
食べやすい脚の部分を小皿に載せて渡され、仕方なく食べ始める凶。
それを見ながら経文も、ニコニコ笑みを浮かべて自分のチキンを食べる。




