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#12 悪霊退散パーリナイ 4
「いやあ、これにて一件落着ですねぇ」
プラスチックが溶けるような異臭を放ちながら燃え落ちる異形を見下ろして、経文が緊張感のカケラもないマヌケな声をあげる。
「それじゃ、私は一足先に帰ってテレビの続き観ますから。凶サマは約束、忘れないでくださいよ?」
「あーわかったわかった。おまえと話していると体感温度が無駄に上がるから、さっさと帰れ帰れ」
犬でも追い払うように凶が手を振ると、なぜかニヤニヤする経文。
「えっ、私と話してると体の一部がホットホットですって?」
「帰れ!」
凶がチョークを投げつけるけど、眉間に直撃するよりも早く経文は淡い燐光を放って姿を消す。
「それにしても……」
自分の投げたチョークを律儀に拾いながら、凶は改めて校庭を見回す。
ついさっきまではきちんと整備されてた土のグラウンドは、無残に掘り返されて焼け焦げて、とても教育施設とは思えない凄惨な有様。
「誰が片付けるんだよ、これ……」
校庭をこんな状態にしたのは、ほとんど異形たちと経文のせいなのに、後始末は凶にだけ降りかかってくる。
上係凶は小学4年生にして天才術師でありながら、同時に苦労の絶えない小市民でもあるのだ。




