天国の神様
ぼくは神様。名前はまだ無い。すみません、嘘です。ちゃんとあります。
でも、名前はまた後ほど……。
前回、ぼくからの鉄球制裁を受けた秘書のチェフくんは頭に大きなたんこぶを作り、今も気絶している。
そんなチェフくんを膝枕して、起きるのを待っていたのは、幸か不幸か分からないのだが、ぼくが開発したその名もモエボイというカプセルをチェフくんに飲まされて、人間界の秋葉原に居れば、間違いなく、確実に(違う意味で)神と崇められてもおかしくない程の萌えボイスとボイン(いわゆる、巨乳)にされてしまったフミャくんが一緒にいた。
ちなみにフミャとはチェフくんが勝手に名付けた名前である。
フミャくんは元々、猫だったのだが、この天国に落ちてきて、突然、人間になり、それを良い事にチェフに利用されてしまったようだ。
しかし、ぼくにとっても、実に興味深い事だ。
いや、決して如何わしい事なんて考えていないぞ?
神様だからな。うん。
だがしかし、見た目も可愛い上、萌えボイスにデカイ胸という最強の組み合わせだが、フミャくんは訳もわからないまま、変化してしまったのが本当に幸か不幸か……。
相変わらず、ある意味では幸せで、ある意味では可哀想な猫である。
そんな事を思っているとPC画面に映っているフミャくんが呟いた。
「チェフ……まだ寝てる……。」
急に人間になったものだから、言葉も曖昧だ。
人間界にいた時に聞いた事のある言葉をうろ覚えで使っているのだろうか。
しかし、何故だろうか……。間違った言葉は使っていない。
うろ覚えの割には、的確な言葉遣いだと思われる。
やはり、この子はこの世界では特別な存在なのかも知れない。
あぁ……早く、会って話がしたい……。その声を早く聞かせておくれ……!
あっ、決して、如何わしい事などだなぁうん……。とにかく、まずは会う事が一番だ。
そして、モエボイについてと彼女の過去についてを聞きたいものだな!
神様にだって、収集出来る情報には限界があるのだ。
ちなみに紹介が遅れたのだが、このGOD PC(神様のパソコン)は大抵の場所ならどこでも見れる優れものだ!
でも完璧に集める事は出来ない。今のネットワーク社会でも集め切れない情報は山ほどある。
フミャくんについては特にだ……。きっと、知られざる過去にこれ程の知識や感情を会得した何かがあるはずだ。きっとそのはずだ。
いや、そうであって欲しい……。むしろ、そうでないと悲しい……。
必ずや、解き明かしてみせる! さぁ、フミャよ! 待ってるぞ!ぼくのオフィスでな! フハハハハハ!!(神様っぽく言ってみる)
あっ、あとチェフくんは後でお仕置きしておかないとな。
(その頃、フミャ達は……)
何故かチェフが一瞬だけ、ピクリと動いた。
それに反応したフミャは、チェフに呼び掛けた。
「チェフ……? 起きた……? ん〜……違う……ぽい……」
再び、チェフが起きるのを待つフミャだった。