モエボイのもう一つの効果と明るい空
ちょっとパロと暴走が含まれてます。( ´ ▽ ` )
それでも、楽しんでもらえたら、幸いです(。-_-。)
「I LOVE サバ」のロングTシャツを着れるようになったフミャはとても機嫌が良かった。
そんなご機嫌なフミャだったが身体に何か違和感を感じていた。
そう、何かが少しずつ重くなっていく様なそんな違和感……。
その違和感を感じているフミャの顔を見て、チェフは再び黒笑いし、心の中で呟いた。
(神様、グッジョブ!)
そう、これはチェフの作戦だったらしい。
実に陰湿だが、フミャはその事には全く気付いていない。しかし、少しずつ、フミャの違和感は増すばかりだった。
あまりにも気になるので、フミャがこの違和感について聞こうと思い、チェフ
の方に振り向くと、チェフは何事もなかったかの様な平然とした顔に戻った。
『フミャ? どうしたの? 何か不安そうな顔してるわよ?』
驚くほどの白々しさだが、フミャはチェフが心配してくれてると思い、思っていた事をありのままに話した。
「えっと……ここが……おかしいの……」
フミャの示した所は胸だった。女性ならばで違和感を感じる事はまず無いのだが、フミャは違った。
それ以前にフミャは猫なので乳房は腹部辺りにあるが、人間には胸部が存在する。
そこで胸が発達するのだが、フミャはそれを知らないのは致し方ない事だった。
それを知らないまま、困惑した状態にも関わらず、フミャの胸は少しずつだが大きくなっていた。
最初はまな板や鉄板と言えたサイズだった胸が、今ではチェフのサイズまで急成長しているのだ。(チェフは一般中学生と同じ程度のサイズである)
その後もさらに成長が進み、チェフを超えていってしまい、「I LOVE サバ」のロングTシャツで隠し切れないくらい、大きく成長しました。
流石にフミャも不慣れなこの状況では手も足も出ず、重さに耐え切れずに前に転んでしまった。
そして、チェフはそれを満面の笑みで見ていた。
「あぅ……。チェフ〜……。助けて〜……」
その時、チェフは我に返った。
(はっ!? そうよ! 友達のピンチじゃない! 助けてあげなきゃ!)
と一瞬だけ真面目な顔になった。
そして、再び、満面の笑みと不気味な声を発しながら、フミャを助けてに行った。
いや、襲いに行った。
「ふみゃぁあああ!? やめて〜……! 変な感じぃ〜……!」
『ぬふふふふ、うちに任せなさい!』
チェフは助けると同時にフミャの胸を鷲掴みして、堪能していた。
そして、フミャは涙目で弱っていた。
「ふみゃぁあん……(涙)」
『あぁ……やっぱり、女の子のロマンはここよねぇ……。いいわぁ……。さぁ、もっとよ! もっとぉ! ごふっ!?』
突然、鈍い音がして、チェフが突然倒れた。
すべてがいきなりの展開でフミャはパニック状態になっていたが、足元を見ると砲丸投げに使えそうな鉄球が落ちていた。
しかし、フミャには鉄球そのものが理解出来ていなかった。
その時、空が急に明るくなり、どこからか声が聞こえた。
《いやぁ、ごめんごめん。ぼくの秘書が迷惑かけたみたいだね》
その声にフミャは警戒して、辺りを見回したが他に誰かがいるわけではなかった。
《周りを探しても、ぼくは見つからないよ。ごめんよ。驚かすつもりはなかったんだ。でも、今はうちの秘書がのびちゃってるからね。とりあえず、簡単に自己紹介しておくよ。ぼくはこの天国を仕切る神様ってところかな。もし、彼女が起きたら、ぼくがいるオフィスに案内する様に伝えておくよ。君には興味があるんだ》
「う……うん……」
初めての出来事ばかりに不安を隠せないフミャだった。
《そうだ。さっき、君が飲んだカプセルがあるよね? あれは、ぼくが開発したものなんだよ。カプセルの名前はモエボイと言ってね? 声が超萌えボイスになるのともう一つ! ボインになっちゃうんだよ! どうだい!? すごいと思わないか!?》
楽しそうで、よく話す人だと少々、呆れていたフミャに神様が告げた。
《沢山の感情を持った猫さん。あなたはこの世界では特別な存在なのです。それでは、秘書が目覚めた時にお会いしましょう。では……》
そう告げると少し明るかった空が青い空に戻った。
「何だか……いっぱい……言ってた……。特別……って……なんだろう……」
あまりに沢山話す神様だから、頭の中は全然まとまっていない様だった。
そして、意味もほぼ理解出来ていなかった。猫だから、致し方ない。
とりあえず、チェフが起きるのを待つフミャだった。