気付いてしまったわたし……
「はぁ……やっと目が覚めたようね……」
その助けてくれた誰かは、ようやく一息をついた。
それもそのはず。何せ、あの後から1時間以上ひたすら起こし続けていたのだからだ。
起こしてくれたその人は女性で、見た目は中学生くらいだろうか……。
背丈はしゃがんでいてあまりわからないけど、子どもっぽい印象は感じない。
その上、綺麗なスーツを着ていて大人らしさが出ている。
そんなことを思っている中、少女が野良猫に問いかけた。
『あなた、ここの住人じゃないよね? どこから来たの?』
「にゃ~?」
野良猫は疑問に思い、首を傾げる。
どこにでもいる野良猫になぜ住処を問うのか。そして少女から放たれた一言で、野良猫は言葉を失う。
『さっきから、にゃ~にゃ~言ってちゃわからないよ。あなた人間でしょ? それになんで裸なのよ……?』
それを聞いた瞬間、野良猫はすぐに自分の身体を見た。
『にゃ……にゃ……にゃぁ──』
想像もしていなかった光景に、野良猫は青ざめて声が詰まってしまった。
そもそも、ほとんど 『にゃぁ』しか鳴かないので少女には通じていない。猫語であるから、通じないのも無理はない。
しかし、それを知るよりも先に、野良猫は過去の記憶を思い出す良いきっかけとなった。