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無限ループって怖くね?
(うっ……ここは……?)
野良猫はわずかながら、意識を取り戻す。しかし、まだ動ける状態ではなかった。それにさっきまで聞こえていた賑やかな声は全くない。
この不自然な程の物静かさが、逆に不気味さを感じさせた。
(何も聞こえない……。わたし……さっきまで街にいて……。それで……)
まだ戻り切らない意識の中で必死に考えたが、あまりの不自然さに考える気力を削がれてしまった。
それに目も思うように開かず、このまま飢え死にするのを覚悟していた。
そう脳裏を過ぎった時――
「……!」
誰かの声が聞こえた。気のせいでは無い。
多分、目の前に誰かいる。そう思い、耳をすませた。
「……た……うぶ!? ……か……して!」
やっぱり、気のせいでは無かったと野良猫は心の中で思い、
(良かった……。助け……来たのね……)
救いの手が差し伸べられたと分かると、安心した野良猫は再び気絶してしまった。
「ちょっと!? また気絶しないで! さっきからずっと呼んでるんだよ!? ねぇっ!?」
少女が必死に野良猫を起こしていた。
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