表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫にこんばんは  作者: 犬鳴 椛子
第三章 休日にこんばんは 1
18/68

休日 その前日

 ラントのオフィスを出て、自室に戻ったチェフはフミャをベッドに寝かせた。 その後、チェフは勢い良くベッドへ倒れる様に床へ倒れた。その拍子に顔面を床にぶつけた。

 床は絨毯じゅうたんなのだが、端だけは木製の床でチェフは、そこに思いっきり、顔面をぶつけた。

 しかし、痛みは眠気に遮られ、痛みを感じる事も無く、そのまま就寝。

 勢いが強すぎた為、鼻から血を出てしまった。

 しかし、そのまま安らかに眠った。だが決して、死んでいる訳ではない。

 ただの鼻血である。徐々に床に、絨毯に血が広がっていくのだった。


 数時間後、フミャが目を覚まし、窓の光をモロに浴びながら、猫らしい大あくびをした。


「ふぁあああああ……」


 しかし、猫にしては大きすぎるあくびをして、辺りをキョロキョロと見回した。


「チェフ〜……?」


 チェフがいないのが寂しい様で、寝起きの目をネコのみたいに擦りながら、探した。


「チェフ……いない……」


 いないと確信したフミャはベッドから降りた。その時、ギュムッという鈍い音と共に鈍い声がした。


『うぎゅぅ……』

「ふみゃ……?」


 フミャの足元を見ると、そこにはうつ伏せになって、床に円を描くように血が広がっていた。


「ち、ち……チェフぅう!!?」


 フミャはチェフの名前を叫んだ。

 まるでその場で殺人事件があったかのような光景だったが、フミャには、そんなことはどうでもよかった。元は猫だから。

 すると、チェフは目を覚ました。


『あ……フミャ……。起きたのね……。うち……もう……(眠すぎて)ダメ……っぽい……。ガクッ……」


 そのまま、チェフは再度、安らかに眠った。


「チェフ……。チェフぅうう!!!」


 フミャの声は部屋に響き渡った。

 ちなみにチェフの鼻血は止まっていたが、顔は真っ赤に染まっていた。もちろん、鼻血で。


 フミャはチェフが死んでしまったんだのだと思っているが、実際は寝てるだけであった。

 生物の生き死にがまともに理解が出来ている様子だったのは、この時はまだ誰も知らない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ