今後の計画 その3
あれから、数時間が経過した。
しかし……話の決着はなかなか着かない。
『あぁ、もぉ! そんな優柔不断な事ばかり言ってたら、いつまで経っても終わらないじゃないですか!』
《いや、でも、止めてるのはきみだよ? ぼくはただフミャくんを研究のサンプルにしたいだけなんだってば〜》
『それが嫌なんです! こんな可愛いフミャを研究材料にしようなんて、全くとんでもない!』
チェフは、フミャが研究に使われる事を拒んでいた。
《今後の研究の為に思って、言ってる事なんだよ……?》
『うちはフミャを想って、言ってるんです!』
《きみはレズなのかぃ……? さっきから、フミャがフミャがって言ってるけども……?》
『誰がレズですか! うちはフミャが好きなだけです! レズじゃありません! フミャLOVEですから!』
《いや……それをレズって言うんだよ……》
神様はやれやれという顔をして、腕を組んだ。
《ならば、こうしよう。チェフには数日の休暇を与えよう。もちろん、有休で構わないよ? フミャと好きに遊んで来るといいよ》
『ゆ、有給休暇ですか……!? ちょっと、ランプ様! いくら、フミャが可愛いからって頭がおかしくなったんじゃないですよ!?』
《レズの次は親バカかぃ……? コロコロ変わるねぇ……きみは……》
『と、とにかく、どういう風の吹き回しですか!? 一体!? ちょっと、頭の中見せて下さいよ! かち割って診察しますから!』
《さ、殺人だよそれ……。とりあえず、とにかくもこにかくもないよ。きみに有休を与えるって言ってるんだ。あとランプ言うなし!》
ツッコミながら、神様は真面目に答えた。
しかし、チェフは既に勘付いていた。
『でも、条件がある……っと言いたいのでしょう? 相変わらず、分かりやすい手口ですよね。』
《う、うるさいな……。でもまぁ、その通りだ。数日休んだら、フミャをしばらく、こちらに引き渡して欲しい。チェフくんはしばらく休んでないんだし、嬉しい話だとは思うがね?》
チェフは確かに休みを殆ど貰った事は無く、神様の秘書として側にいた。
ある意味ではブラックな会社なのかもしれない。
チェフは、フミャを見ながら考えた。