今後の計画 その2
《ぼくにやってほしいこと? 一体、何だね? もしかして、ぼくとデー……》
『全く違います。下心丸出しですね』
チェフは、神様をスッパリと切り捨てた。
《い、いや、冗談だよ……。あはは……。冷たいなぁ全くもぅ……》
神様は台風が過ぎ去った後の様に静まり返った。
そして、深海よりも深い傷を負ったかのように落ち込んでいたが、チェフは容赦なく、要件を話す。
『まぁ、そういう事にしときます。それでやってもらいたい事ですが、フミャの友人を見つけて欲しいんですよ。そこにあるランプ様よりも万能なPCを使って探してもらえないかと思いまして』
神様は思った。
(こ、こいつ……要件は凄く優しい事言ってるが、口だけは本当に悪いな……相変わらず……)
《それで……? その友人ってのはどんなやつよ……?》
神様が不機嫌そうに問う。しかし、神様には想定外の答えが返ってきた。
『知りません』
《はっ!? 何で知らないの!? 話を聞いてたんだよね!?》
『聞いてましたよ。でも、寂しそうだったので、細かいとこまでは聞いてません』
さらりと受け流す様に答えた。
《あ、あっそうなの……。聞いちゃマズイって訳ね……?そっか……。う〜ん……》
神様は考え出した。
『何を考えているんですか? また良からぬ事ではないでしょうね?』
《そんな悪いことなんて、一度でも考えた事がぼくにあったかぃ!?》
神様は焦りだすが、チェフはズバリと切り返してきた。
『ありましたよ。むしろ、無かった事がないくらいですよ? まさか……自覚無かったんですか?』
《あ、あるよ! ありますとも! 神様なめんじゃないよ!?》
『意地張るな。おたんこなす』
《誰がおたんこなすか! それとフミャくんの友人は今は探さないからね!》
神様はきっぱりと答えた。
『はぁっ!? 何言ってんですか!? わたしのいう事にいじけたんですか!? あ~ぁ……情けない……』
《本当に容赦ないなきみは……。違うよ……。フミャくんの使い道とそれを利用した探索方法を今、検討してる所なんだよ》
『フミャを利用する気ですか……?』
チェフの拳が震えていた。
《利用って言い方ではないが……彼女はね? ぼくの薬の成功者第1号なんだよ? 化学者のぼくとして、これからの成果を上げていく為にも彼女の協力が欲しいんだよ》
『へぇ、珍しくまともな事言いますね。でも、彼女の友達はどうする気ですか?』
《それは……。これから、考えるよ!》
『はぁ……』
ますます、チェフは呆れてしまった。