今後の計画 その1
『それで、うち達はそんな戯れ言の為に、ここに呼ばれた訳ではありませんよね?』
チェフが辛口な一言を放った。
《き、きみはいつも、どストレートだよね……。神様のぼくが下剋上を受けてる気分だよ……》
少し引き気味の神様に単刀直入にチェフは言った。
『むしろ下剋上をして、うちが神様になってやりたいくらいなんですが?』
悪びれる様子もなく、真顔で答えた。
《お、鬼か! きみは! あんまり言うとお仕置きするよ!?》
神様はお仕置きと言って、チェフを脅した。
『すみません。もうしませんから、許して下さい。』
さっきの見下しが嘘の様に、チェフは土下座して謝り始めた。相当、神様のお仕置きが怖いのだろう。
《わ、分かればよろしい……。さ、さて、話を戻すが、フミャの様子はどうかな?》
『はい、フミャはとても賢く、感情も豊かな猫でございます。モエボイも本来ならば、人間には効かない代物ですが、フミャには効果を発揮しました。こんな事は前例にはありません。やはり、人間ではないからでしょう』
それを聞いて途端、神様の表情が険しくなった。
《ふむ。だとすると……フミャくんはこの地に落ちてきて、猫から人間の姿なった最初の猫に間違いはないな。何せ、モエボイがそれを証明している。》
『そうですね。うちが飲んでも何も効果なかったですもんね。実に残念ですが。』
真顔でチェフは答えた。
《あっ、いや、そんな顔しないでくれませんか……? 悪気は無いんです……》
『別に怒ってませんよ? 鉄板だとかフライパンだなんて全然、思ってませんし、気にしてませんよ?』
《あの……チェフさん……? 物凄い怖いです……》
『まぁ、そんなどうでもいい話は良いとして、フミャですね。彼女は確実に人間ではないのは事実です。でも、調教すれば、必ず成長します。いいえ、させます。』
チェフの顔が僅かに、にやけ顏になった。
《相変わらず、その腹黒さだけはどうにもならないようだね……。ぼくじゃなくて良かった様な……。フミャくんが可哀想な様な……。実に複雑だよ……》
『まぁ、そんなことはお気になさらず。それよりも神様にぜひとも、いただきたい事があるんです。』
急に真面目な顔になり、要件を話し始めた。