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猫にこんばんは  作者: 犬鳴 椛子
第一章 昔と今にこんばんは
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仕返し

『秘書を殺そうとする神様が普通いるかしらねぇ。まったくもぅ……』

 チェフは殺人未遂の事をネチネチと言っていた。そして、矢の方に目をやって、歩き出すとその矢を力強く引き抜いた。矢先には、小さな鉄球が付いていた。


『こんなもので……』

 そう言うと呆れた顔で矢を揺らした。

 その動きは、まるで猫じゃらしの様でフミャはつい反応してしまい、それを目で追いかけた。

 その猫の様な動きに気付いたチェフは悪戯心が働き、少し大きめに振ってみた。

 その動きにフミャの顔はバッチリと付いてきていた。まさに獲物を狙うハンターの様に。

 さらに遊ぶ為に大きく振るとフミャもさらに動きについていく。

 すると、不意にチェフが矢を投げた。

 それに反応して、フミャも飛び出そうとしたが、フミャは正座で足が痺れていて、そのまま、うつ伏せに転んでしまった。

『フミャ!? 大丈夫!?』

 チェフはフミャに駆け寄る。

「いたた……。へいき……。でも……足が……動かないよ……」


 心配かけまいと笑顔で振る舞うが、足の痺れの顔は隠し切れなかった。

 チェフは罪悪感に押し潰されそうになった。心の中で自分のした事を悔やみ、責めていた。

(うち……何やってんだろ……。自分が恥ずかしいわ……)

 そう思っていた時だった。

「チェフ……」

 悲しそうな顔をしたチェフを見て、フミャは心配してくれていた。

 そして、手を差し伸べた。

「立たせて……チェフ……」

『あっ……。うん……』


 そう誘われて、手を握った。

 その時、フミャが力いっぱいチェフの手を引いて、転ばせた。

『きゃっ! あたた……。ちょっと、フミャ! 何すん……』

 チェフは言い止まった。

 何故なら、フミャが悪戯っ子の様な笑顔をしていたからである。

(やっぱり、この子はただ者ではないわ……)

 そう、チェフも確信をした。


『フミャ、あなたに会わせたい方がいるの。付き合ってね』

 そう言われて、お姫様抱っこされて、フミャは神様の待つオフィスに強制連行されたのだった。

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