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僕と先輩とお出かけ

「先輩、一時間の遅刻ですよ」


 僕と先輩は映画を見るために出かけることとなった。

 遠いところには来てないので大体の店の配置は記憶してあるはずだ。


「ちゃんと九時に集合しようって昨日のメールに書いたよ」


「え。僕が八時に集合することをメールに書いたら分かったってやりましたよね。……ほら、最初の方に」


「後半あたりにやっぱり九時にしようって書いたのを読んだと思ったのに」


「改行なしの限界文字数到達メールを夜中の二時に読めるはずないだろ! なんで返信するのに七時間も費やすんですか!?」


「それはいろいろ考えた過程を記そうと思って」


「脳内会議を文章に起こさなくていいよ! 結論のみを書いて!」


「え、だって、提示した八時を拒否するのは後輩君に悪い印象あたえるんじゃないかって」


「めんどくさいですね、僕がそんなことで先輩を嫌うはずがないですよ。ええと、それより、先輩の服装似合ってます」


「あ、ありがと。実はこの日のために買ってきたんだ」


「ただ映画見に行くだけなのに。それか他の理由があるんですか?」


「もちろんあるよ。それは後輩君を惚れさせるためだ!」


「あーはいはい。一人でいってきまーす」


「置いてかないで!」


△▼△


「後輩君、どうして手が濡れてるの」


「トイレの送風機が壊れてるみたいで乾かせなかったんです。自然に乾くと思いますよ」


「それなら私のハンカチ使いなさいよ、ほら」


「先輩が女子女子してる」


「いつものことよ」


「いつも元気な先輩の女子力を見ると可愛いなと思いますね」


「そ、そう? それじゃあ次にあのほわほわしたぬいぐるみショップ行かない?」


「露骨な女子アピールうざい! でもまぁ、映画までの暇つぶしにはいいでしょう。ガッツポーズ見えてますよ、先輩」


△▼△


「先輩、映画の感想を述べていいですか?」


「いいよ!」


「先輩の精神年齢はいくつだ! 児童向けアニメを小さい子供達と一緒に大きなリアクションする先輩はひどかったよ!」


「べ、べつに、児童向けにしては面白かったけど、いつもならもっとビターな映画を見るわよ。ポスターを見たらキャラが可愛いと思っただけであって、ファンとかではないし」


「その両手に引き下げてるファングッズは何だ!」


「キャラが可愛いから買っただけよ!」


「それじゃあどうして僕の隣で映画に出てきたキャラを自己紹介シーンが無いのに全部名前を言い当てられたんですか? しかもこの映画総勢百十二のキャラがでたそうですね!」


「後輩君のいじわる! そうよ、毎朝六時に起きて逃さず見てるわ」


「素直でよろしい」


「あのさ、映画見てるときに少し考え事してたんだけど」


「あんな大口開けて叫んで子供を引かせてた先輩が!?」


「あれは私も悪いと思ってる。 昨日後輩君ならすぐにメールしてくれると思ってたのに遅かったよね、どうして?」


「イケメン君と遊んでました」


「あれ、俺のこと呼んだ?」


「ええ!? どうしてイケメン君がいるの? まぁ近場だから会うこともあるよね。僕は放っておいて後ろにいる女子と仲良くしてろー」


「え、俺一人できたんだけど」


「イケメンなんて滅べ! え、あ、ちょ、先輩急に腕引っ張らないでください! どうしたんですか!?」


 僕と遊んでる状況を見せて勘違いさせたら嫌だからか。なんでこういうのに僕は鈍いんだろう。


「ごめんね、イケメン君。月曜日ゆっくり話そう! それじゃ!」


「あ、おう。じゃあな」


△▼△


「気が回らなくてすみません。次から気をつけます」


「何のこと? 私はイケメン君が嫌いなの」


「え、どうしてですか? イケメン君とってもいい人ですよ」


「だからなの。それより次は何する?」


「納得いきませんが、まぁ映画見たんで帰りましょうよ」


「つ、つまり後輩君の家に行ってもいいのね!?」


「思考回路がショートしてる! 僕の家には上がらせませんよ!」


「けちー。まだ昼なのにどうすればいいのー」


「家に帰っておとなしく勉強してください。明日は夜まで付き合いますから」


「夜の街でナイトフィーバするのかな?」


「そっちに持っていくな!」

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