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僕と先輩と放課後

 先輩から改行なしの限界文字数到達の昼の招待メールが休憩時間に来たので、中庭で食べることになった。


「ねぇねぇ、今度の休みになに着てけば良い?」


「僕はフツーの格好でいきますから、先輩もフツーでお願いします」


「それじゃあ純白のドレスかな」


「とち狂ったお嬢様か! 今の時期ならワンピースにカーディガンで良いんじゃないんですか?」


「なるほど。つまり後輩君は私のパンチラを拝みたいということね。でも長いから難易度は高いよ」


「男子の誰もがエロガキの妄想をしてるとは思わないで!」


「え、それじゃあ、その次のこと?」


「ちゃうわ!」


「シチュエーションが嫌いだった?」


「そっちに持っていくのやめて! というか、一人の男子高校生から意見を言いますと、会ったときに事前情報なしの私服を見るほうが可愛く見えたりしますよ」


「それじゃそうする」


「即答ですね。まぁ帰りに服を見ればいいじゃないですか? 買わなくても季節や流行に合った服装が分かると思いますよ」


「なら、ほ、放課後に一緒に行かない?」


「すみません、今日の帰りはイケメン君と帰る約束してます」


「へ、へー。ヨカッタデスネー」


「もう昼休み終わるんで教室に戻りましょう」


「う、急に腹痛がっっ! これは動けそうにない、ここで治るのを待たない?」


「腹パンすれば一発で治りますよ」「勘弁してください」


△▼△


「九割帰宅部の僕と、部活のエースイケメン君が一緒に帰れるなんて不思議だね。今日は部活無かったの?」


「サボった」


「え。どどどどうして!? やっぱりイケメン君も非行に走りたい時期なの!?」


「うそだよ。足を挫いて入れなかったから、たまにはお前と放課後二人で遊びたいと思って」


「フェンスにしがみついて見てた女子に向かって言ったら卒倒ものだね」


「ははは、俺にはそんな子いないよ」


「控えめのところがイケメンなんだよ! いや、それにくわえて……イケメン君は天然鈍感だ!」


「やっぱりお前と帰って正解だ。とっても楽しい」


「うわ、急に肩とか組むな! 僕の小さい身長がより目立つ!」


「中腰ってきついわー」


「心へのダイレクトクリーンヒットだよ! つーか怪我してんのに無理するな!」


「そんじゃ、楽な体勢で」


「よりかかるなー! ゾウに踏まれた気分になる!」


「なら、これはどうだ!」


「お姫様抱っこはさすがにおかしいよね!?」


「お前は軽いから楽らくだよ」


「シャァラップ! 女子にやってあげて!」


 イケメン君の笑顔を見るとやっぱりイケメンで、熱い鉄板を顔面に当てて堀の深い顔を平たくしたいと思う。

 優しく下ろされて足の裏と地面をキスさせることができた。


「イケメン君をいろんなところには引っ張れないね。おとなしくしないと」


「俺は大丈夫だぞ。お前とならどこへでもついていく」


「女子に言うべきことを僕に言わないで! 僕もうれしいけど! 次の瞬間こめかみに鉛が入りそうで怖いんだよ!」


「俺が守ってやる!」


「だから女子に言え! ……はぁ、散らかってるけど僕の部屋に来る?」


「お前の家行くの初めてだな、もちろん行くよ」


「それじゃあ決まり!」


△▼△


「それでは部屋を暗くして、このDVDを見ようと思います。前に強がりで買ってきたホラーのやつなんだけど、一人で見るのが怖くて見てない。しかし今はイケメン君がいるから安心だ」


「あ、それ知って「ネタバレはやめて!」


「まだなにも言ってないのに」


「流れ的に。あ、でもイケメン君は無意識に人が嫌うことはしないから大丈夫か」


「信頼してくれるのはうれしいな」


「準備するから待ってて。…………よし! あとはお菓子とか飲み物持ってくるねー」


「ありがとな。手伝うことあるか?」


「これがイケメンの気遣い……! つーか足怪我してんだから休んどけ」


△▼△


「準備は完璧だ」


「なんでお前ここにいんの」


 イケメン君のあぐらの上に座り、制服の袖を掴んでいて何が悪い。しっかりとイケメン君の怪我した足は避けてるしいいじゃん。


「これは背が小さい人の特権なのだ!」


「まぁいいか。……お前震えすぎだろ。そんなに怖いなら見なければ良いのに」


「男には守らなければいけないプライぎゃあああああ!! 大きな音は反則だ! もっとこうジワジワくるやつならかかって来い!」


△▼△


「お、おい。まさか、そんな、やめてくれ。ありえないありえなっうんきゃぁぁぁぁ! ジワジワもあるとは思わなかったんですすみませんすみませんすみません」


「制服をあまり乱暴に扱わないで」


「イケメン君すみません。でもここから離れたら僕は何を頼りにこの映画を見れば良いのでしょう」


「本当にホラーだめなんだ。それじゃあこれなら大丈夫だろ」


 そう言ってイケメン君は僕を後ろから抱擁して頭をなでてくれた。


「そばにいるから安心しろ」


「女子にやれ!」

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