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岩見優司のリア充(?)な日常  作者: 霧島こう
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第一話 昼下がりの不穏な密談

初投稿です。一応恋愛ものです。こういう小説があってもいいんじゃないかと思い、投稿しました。暇な時にでも読んでもらえれば幸いです。

第一話 昼下がりの不穏な密談


 俺の名前は岩見優司。


 特別なあだ名はない。成績は上の下くらい。こう言うと頭が良さそうに聞こえるが、通っている高校のレベルがイマイチなので、倍率の高い大学進学は望めそうにない。みんなからは変人呼ばわりされている。まあ、そのことに関しては俺も否定しない。つまり、自他共に認める変人。あまり変わったことをしているという意識はない。周りに言わせれば十分変わっているとのこと。無意識のうちにやっているということか。


 ある日の昼下がり、俺は教室で持参した弁当を食べていた。


「あ~、金がないわ~」


 昔からの腐れ縁、良く言えば幼馴染みの鹿内早智が向かえの席でぼやいた。金がないのは俺だって同じだ。


「ねえ、優司。金儲けの話でもない?」


「ないよ。あればこんなしがない高校には通っていない」


 あっても、人には話さない。自分だけでやって、富を独り占めする。


「女子更衣室で、生徒たちの生着替えでも盗撮してやろうかしら。マニアなら高く買ってくれるわよ~」


「おいおい」


 金が必要だからといっても、やっていいことと悪いことがあるだろ。


「私は女子更衣室にカメラを設置するから、あなたは収められた映像を加工してちょうだい」


 本当にやる気かよ。悪質な冗談で片づくと思ったのに。


 俺が覚めた視線を送っていると、さすがにまずいと思ったのか、早智はパッと表情を変えて、「冗談♪」と言った。


「でも、あんたって性欲がないわよね。例え冗談でも他の男子だったら、目の色を変えるものよ。健全な男子高校生としてはこの話に興奮しないのは問題だわ」


 お前の発言の方が問題だ。世の中は常に例外であふれているのだ。多数とは違った考えの奴など売るほどいる。もっとも俺は大抵の場合において、少数派だが。


「ねえ、岩見。放課後に付き合ってよ。どうせ暇でしょ」


 暇なのは事実だが、「どうせ」の一言は余計だ。


「どっか寄っていくのか?」


「エロDVDを買おうと思って。それをサイトで流すのよ。男どもから金をせしめようって訳。そこで男の立場から、欲情を掻き立てるものを吟味して選んでほしいの」


 一応女なのだから、発言に気を配るべきだろう。顔は悪くないのに、未だに彼氏が出来ない原因の一つでもある。それに製造元の許可を取らずに、勝手にネット上で流すのは犯罪だぞ。


 何気なく周囲を見ると、クラスメイトの何人かが、こちらに疑いの眼差しを向けている。そりゃあ、盗撮について大声で話していれば、不審に思うわな。それに加えて、女とエロDVDを買いに行こうなんて話をすれば、決定的に変人だろう。


 俺なりに、クラスの中で浮きたくないと思っていたので、早智の手を引いて教室を後にした。


 やれやれ。また変人の噂が広まってしまう。

まだ一話ですが、いかがだったでしょうか? 感想をいだたければ嬉しいです。

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