第1話 運命的な出会い
私はあるとき、そのアプリで相談室のワールドを探していた。
その時の私は、将来への漠然とした不安で悩んでいた。
だが、相談室のワールドは検索結果にはなかった。
数ヶ月が立ち、そのようなことを検索していると、ふと一つのワールドが目に留まった。
△△相談室と書いてある。
私は思わず、そのワールドの詳細を見てみた。ちゃんとした、相談案内であった。
そのワールドしか、相談室はその時点では無かったため、その夜思いきって相談室ワールドに行ってみることにした。
そして、その夜。
△△相談室に入室してみると、洗練された作りであった。
私は緊張していた。
・こんばんは
とチャットに打つ。
するとその方も、
・こんばんは、〇〇(ニックネーム)さん。初めての方のようですね。
と打ってきた。
私はやっぱり緊張していた。
・はい、初めてです。
・初めまして。△△相談室の心理カウンセラー、△△(ニックネーム)です。
それから、いろいろ雑談をした。
初回はそれで終了した。
彼との雑談は楽しかった。
私は気づけば三回ぐらい、夜にそのワールドで雑談していた。
あの方は、親身になって私の話を聞いてくれる。
そう、密かに感じていた。
更に数回雑談した後、ついに相談を予約した日がやってきた。
・こんばんは、〇〇さん。今日は相談の日ですね。どのようなことで今日は悩んでいますか。
私は正直に、
<将来の進路について考えていると、いろいろ不安になってしまう。>
ということを彼に伝えた。
すると、彼はアドバイスをくれた。
また、真摯に私の不安を否定もせず、むしろ肯定して聞いてくれた。
私は、話を聞いてもらったことで心が軽くなった気がした。
その日は良い心地で眠ることができた。
それから私は、彼のことが気になったので、たびたびそのワールドに自ら行って、雑談をした。
彼と話していると、時間があっという間に過ぎてしまっていた。
しかし、私は大学の勉強も並行してやっていたので、特に気にならなかった。
あるとき彼が、
・新しいワールドをいくつか作ったんだ。
と言った。
私は、気になったのでそのワールドに行ってみて、2人で話した。
そのワールドも、とても洗練されたワールドだった。
そうこうしているうちに、年が明けた。
2026年になった。
新しい1年の始まりである。
・明けましておめでとうございます。△△さん。今年も宜しくお願いします。
・明けましておめでとう。〇〇さん。こちらこそ、今年も宜しくね。
そして、唐突に彼は言った。
・そういえば、〇〇さんの本名ってなんていうの。
ついに、私の本名を彼にチャットで言うときが来た。
・本名ですか。関 千歳です。
・関 千歳さんですね。僕の本名は、米田 誠二っていいます。関さん、これからも宜しくね。
私はその時、
・誠二さんですか。古風な名前ですね。
と思わず言ってしまった。
米田さんとのチャットの応答が少し空いた。
彼はその時、私のことをどう思っていたのだろうか。
私はまだ、知る由もなかった。
この頃から、私は彼のことを米田さんと呼び、米田さんは私のことを関さん(あるいは千歳さん)と呼ぶよう
になった。




