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現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: てへろっぱ


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第97話 3番は持つ

朝。入口は暗いまま。箱壁も返却棚も灯りも触らない。外変化0。

返却棚は揃ってる。札穴、番号、向き。遅延なし。対象外なし。静かだ。静かな朝は、置き場じゃなく動線を狙ってくる。


フィン 昨日、枠塞がりで三番に逃がしたろ。今日、三番塞ぎが来るぞ。

ミナ 塞ぐのが目的なら、塞がせないじゃなく、塞いでも意味がないにする。

ゼフ 三番を床に置かせたら、そこで止まる。

レイナ 置かない。持つ。

フィン 持つ?

レイナ 3番は床に置かない。持ったまま通す。

ミナ 紙一枚ね。

レイナ 紙一枚。板一行。箱は既存。説明しない。


3番は逃げ道だった。逃げ道は狙われる。狙われる前に、逃げ道を固定じゃなく移動にする。

床に置く場所を無くす。置く場所が無ければ、塞がれても止まらない。止まらなければ口が挟めない。口が挟めないと燃えない。


ミナが紙を一枚だけ置いた。短い条件文。理由は書かない。


3番は持ち運用 床置き禁止 塞がり時も同じ 差し込みは0(凍結)


フィン 床置き禁止、強いな。

レイナ 強いほど燃えない。

ブラント 外で聞かれたら?

レイナ 条件だけ。3番は持つ。以上。

ゼフ 持つ役は誰にする。

レイナ 子供便。速歩き。止まらない。

ユハが入口側に立って、3番に寄って止まれる角度を先に潰した。止まれる距離が消える。


昼。動かさない日を混ぜる。棚の前で作業をしない。入口で喋らない。窓口は短く同文で終わらせる。

空箱便は今日も三つ。番号だけ。1、2、3。ここは変えない。外変化0。

違いは一つ。3番は置かない。持つ。


子供 今日も三つ!

ミナ 三つ。番号だけ。

子供 いち!に!さん!

レイナ さんは持つ。床に置くな。

子供 さんは持つ!

フィン 呪文みたいだな。

ミナ 短い方が残る。

子供 速歩き!終わり!


子供が3番を抱えたまま、台の前を通り過ぎる。置かない。止まらない。

ミナが指先で合図する。置いて離れるじゃない。入れて離れる。

3番は箱のまま通過する。通過する瞬間に入れるだけ。入れたら終わり。理由は不要。


ゼフ ここで入れる。

レイナ 入れたら離れる。

フィン これ、置き台塞ぎの次の手だな。置く場所が無いなら、置く時間も無い。


午前の半ば。案の定、動線に違和感が出た。

3番が曲がる角の床に、薄い木屑が撒かれていた。滑るほどじゃないが、足が止まる種類のやつ。止まった瞬間に口が生える。


ゼフ 撒き。

ミナ 触らない。

レイナ 止まらない。迂回しない。速歩きのまま。

フィン 踏むのも嫌だろ。

レイナ 踏む。終わり。


子供が一瞬だけ足を止めかける。

止まりの芽。そこに声を差し込みたい相手の狙い。

だがユハが立ち位置を一歩ずらす。止まりたくなる角度が消える。まっすぐ抜ける角度だけ残る。


子供 さんは持つ!

ミナ そのまま。

子供 そのまま!終わり!


踏んで抜ける。抜けたら終わり。木屑は木屑のまま残る。誰も拾わない。拾えば見せ場になる。見せ場は餌。

餌を置いた側だけが損を抱える。


薄い足音。左肩が擦れた男が、角の外から見ている。目が落ち着かない。やっぱり狙いは止まりだ。


男 ほら危ねえ!止まれ!

フィン 止まらない。終わり。

男 転んだらどうする!

レイナ 0。

男 0って何だ!

レイナ 説明しない。

ミナ 理由なし。


男は声で椅子を立てられないと分かると、手で来る。

3番の持ち手に、細い紐を引っ掛けて床側に引っ張った。持ったまま通れない形にして、置かせる狙い。置いた瞬間に勝てる。


子供 ひっ…

レイナ 放すな。握り直せ。

ユハが一歩だけ出る。男と子供の間の幅が死ぬ。紐の先が引けない距離。

ゼフが目だけで紐を見る。穴も番号も関係ない。だから0に落とすだけ。


ゼフ 紐。0。

レイナ 0。凍結。

フィン 紐で勝とうとすんな。小物すぎて泣ける。


子供は持ったまま一歩前へ出る。紐が引っ掛かったままでも、止まらない。止まらないと引けない。引けないと勝てない。

男は焦って引こうとするが、その瞬間ユハの位置が邪魔者にする。通路の真ん中で引っ張る男は、ただの邪魔。


男 おい!危ねえだろ!

フィン お前が危ねえ。終わり。

男 なら置け!床に置け!

レイナ 床置き禁止。

男 誰が決めた!

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男が叫ぶ。だが周りは流れる。子供便が速歩きで抜け続ける。

止まらない流れの中の怒鳴り声は、ただの音になる。音は燃えない。

止まって見えるのは男だけ。止まった方が負ける。男は結局、紐を手放すしかない。手放した瞬間、作った椅子が消える。


フィン ほら。手離したら終わりだろ。

レイナ 終わり。


紐は床に落ちた。拾わない。拾えば見せ場になる。見せ場は餌。

ゼフが流れの外へ足先で押し出す。手で触らない。触った瞬間、片付けの責任が生える。責任は椅子。


レイナ 触らない。0。

ミナ 数だけ。

フィン お前、0便利にしすぎ。


そこへ帳面役の息が来る。紙束。署名。公開。安全。

今日は木屑と紐を餌にする。危険だ、児童だ、責任者だ、公開点検だ。椅子セットを並べたい。


相手 子供が危ない!公開説明を、

フィン 公開って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

相手 皆のために!

レイナ 皆のためは椅子。却下。

ミナ 紙は凍結送り。


紙束は受け取られて読まれず、既存の凍結送りへ落ちる。箱は増やさない。口も増やさない。

相手が叫ぶが、叫ぶ場所がない。ユハが幅を殺している。流れが止まらない。

質問ができない。手渡しもできない。床置きもできない。座れないから燃えない。


相手 危険の根拠を、

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。

フィン はい終了。次の角行け。


ほのぼのは、3番の歌で出た。

子供たちが勝手に覚えて、勝手に回す。止まらない。叱られない。損もしない。終わりが早い。

終わりが早いと、作業が早い。作業が早いと帰れる。帰れると噂が育たない。


子供 さんは持つ!

別の子供 床に置かない!

ミナ えらい。

フィン 俺ら、教育してないのに教育されてない?

レイナ 条件だけ渡した。

ゼフ 条件は残る。


夕方前、補修班工房へ一度だけ行く。外は変えない。向こうの明るさも変えない。完成感も増やさない。

持ち込むのは形だけ。3番は持つ。床に置かない。差し込みは0。返却はまとめ落とし。置いて離れる。


補修班頭 最近、3番が落ちないな。

落とさない。持つ。

補修班頭 なんでだ。

レイナ 理由なし。

補修班の若いの 止まると面倒なんで。

レイナ 正解。

補修班頭 ……良い。止まるな。


若いのが三箱を抱えてまとめ返却へ向かう。途中で止まらない。3番も置かない。持ったまま角を抜けて、落とし口に三つ落として終わり。

返却が終わった瞬間、若いのは帰る。口が増えない。燃えない。


夕方、ブラントが市場から戻る。噂の内容は持ち帰らない。形だけ。

今日は木屑で危険、紐で妨害、3番で不正、と三つの形が膨らみかけていた。

だが全部、座れない。理由がない。数字に落ちる。


ブラント 3番が怪しいって形が回りかけました。

レイナ 番号だけ。

ミナ 紙一枚。理由なし。

フィン 木屑と紐は?

ゼフ 木屑。紐。

レイナ 0。凍結。説明なし。

ブラント 危険も妨害も分類できません。座れません。外は雑になります。


領主へは数字だけ。短く。噂が嫌いな人間は数字で切る。


領主 3番がどうのと聞いた。

ブラント 3番は持ち運用にしました。床置き禁止です。

領主 良い。止まる場所を与えるな。噂は嫌いだ。

レイナ 与えない。

領主 木屑と紐は?

ゼフ 0。

領主 説明するな。数字だけ残せ。

ミナ はい。


夜。灯りは二基。低く地味に足元だけ。入口は照らさない。外変化0。

覗きが薄い時間だけ、ゼフが角の木屑と落ちた紐を流れの外へ寄せる。拾わない。掃かない。見せ場を作らない。

そのまま0で凍結へ落とす。箱は既存。名前は増やさない。


翌朝。外は何も変わっていない。外変化0。

3番は持つ、だけが残っている。置き台が塞がれても止まらない。角に何か撒かれても止まらない。

相手はまた雑になる。雑は距離で死ぬ。追わない。捕まえない。燃やさない。


ミナ 置く場所を消したら、塞ぎが意味を失う。

フィン 止める場所がないと、正義も座れない。

ゼフ 3番は持つ。

ユハは無言で入口の暗がりへ戻る。止まりは今日も死んでいる。

レイナ 次も一つだけ。外変化0。


3番持ち1/木屑1/紐1/0凍結2

俺は板に一行だけ残した。

3番を持ち運用にして床置きの止まりを消し、木屑と紐は0凍結で数だけに落として椅子を立てさせなかった。

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