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現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: てへろっぱ


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第96話 枠が塞がれたら三番

朝。入口は暗いまま。箱壁も返却棚も灯りも触らない。外変化0。

返却棚に落ちていた箱を数える。札穴、番号、向き。遅延なし。対象外なし。静かだ。

静かな朝は、相手が置く朝でもある。置いて離れるが刺さった以上、相手は置き場そのものを椅子にしたい。置き台が一枠になった以上、次はその枠を塞ぎに来る。


フィン 一枠、効きすぎて逆に怖いな。

ミナ 効くと真似る。真似ると雑になる。

ゼフ 枠を塞げば止まる、って考えだろ。

レイナ 止まらない。枠を捨てる。

フィン 捨てる?

レイナ 枠が塞がれたら三番。

ミナ 紙一枚ね。

レイナ 紙一枚。板一行。箱は既存。説明しない。


置き台一枠は、並ばせないための刃だった。

でも刃は、柄を掴まれると止まる。枠を塞がれると置けない。置けないと手渡しが戻る。手渡しが戻ると責任が生える。責任が生えると燃える。

だから枠を守らない。枠が塞がれた瞬間に枠を使わない。枠を捨てて、三番へ逃がす。三番は運搬だけ。0運搬にも吸収できる。止まらない。


ミナが紙を一枚だけ置いた。短い条件文。理由は書かない。


置き台塞がり時 置かない 3番で運搬 塞いだ物は0(凍結) 手渡し無し


フィン 塞いだ物は0、容赦ないな。

レイナ 容赦が燃えない。

ブラント 外で聞かれたら?

レイナ 条件だけ。置かない。運ぶ。以上。

ゼフ 3番は今、向こうでも回ってる。

レイナ 同じ。番号だけ。

ユハは入口側に立ったまま、置き台の前の幅を先に殺した。止まれる距離を消す。見せ場の距離を消す。


昼。動かさない日を混ぜる。棚の前で作業をしない。入口で喋らない。窓口は短く同文で終わらせる。

空箱便は今日も三つ。番号だけ。1、2、3。ここは変えない。外変化0。

補修班工房側も三連。3番は0運搬。返却はまとめ落とし。置いて離れる。一枠。全部が短い。


子供 今日も三つ!

ミナ 三つ。番号だけ。

子供 いち!に!さん!

レイナ 走るな。速歩き。

子供 速歩き!終わり!

フィン 終わり万能。枠塞がれても終わりにできるか。

レイナ できる。置かないだけ。


午前の半ば。置き台の枠に、箱でも札でもないものが置かれていた。

平たい木片。ちょうど一枠を埋める大きさ。手を伸ばして退けたくなる大きさ。退けた瞬間に、相手の勝ちになる。


ゼフ 塞ぎ。

ミナ 触らない。

レイナ 置かない。三番。


子供が空箱を抱えて台に来た。置く場所がない。

目が泳ぐ。手が止まりそうになる。止まると口が生える。


ミナ 置かない。3番。

子供 さん!

フィン 理解が早い。

レイナ 早いほど燃えない。


子供は台の前で止まらず、3番の箱の横へ回って、そっと置いた。置いて離れる。

置いた瞬間に手が空く。手が空くと喋りたくなる。でも喋らない。喋る場所がない。ユハが幅を殺している。


そこへ薄い足音。

左肩が擦れた男が、枠のそばに立っていた。薄い顔。目だけ落ち着かない。やっぱり早い。


男 ほら見ろ!置けないだろ!危険だ!受け取れ!

フィン 置かない。3番。終わり。

男 終わりじゃねえ!そこは置き台だろ!

レイナ 塞がり。置かない。

男 塞がりって何だ!誰が塞いだ!

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男は叫ぶ。だが周りは流れる。

子供便が速歩きで抜ける。空箱が三つ、淡々と動く。止まらない流れの中の怒鳴り声は、ただの音になる。音は燃えない。

止まって見えるのは男だけ。止まった方が負ける。


男 ならそれをどけろ!

ゼフ 触らない。

男 無責任だ!

レイナ 無責任は言葉。却下。

男 じゃあ俺がどける!

レイナ 触るな。0。


男は一瞬止まった。

自分でどけたら、自分で置いたのが確定する。確定したら、正義の顔が剥がれる。だからどけられない。

どけられないまま、枠の前で声だけが空回りする。


フィン 置くのも、どけるのも、お前が終わる。

男 ……っ。


男は手口を変えた。枠に置いた木片へ、香りの強い油を垂らした。

臭いと言わせたい。衛生と言わせたい。公開点検の椅子を立てたい。


男 ほら臭う!危険だ!開けろ!

レイナ 0。

男 0って何だ!

レイナ 説明しない。

ミナ 理由なし。

フィン 臭うって言えば椅子が出ると思ってんの? ここ椅子ない。


匂いが立つ。だが誰も止まらない。止まって嗅がない。止まって顔をしかめない。

止まらないから観客が集まらない。観客がいないと椅子が立たない。椅子が立たないと燃えない。

木片は枠に残る。でも枠はもう使わない。残っても意味がない。意味がないと燃えない。


そこへ帳面役の息が来る。紙束。署名。公開。安全。

今日は最高の餌だ。置き台が塞がれた。危険だ。衛生だ。公開点検だ。窓口を増やせ。椅子を並べろ。

だが並べる場所がない。枠は一つ。しかも使わない。使わないから口が生えない。


相手 置き台が使えない!危険だ!公開説明を、

フィン 公開って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

相手 皆のために!

レイナ 皆のためは椅子。却下。

ミナ 紙は凍結送り。


紙束は受け取られて、読まれず、既存の凍結送りへ。箱は増やさない。口も増やさない。

相手が叫ぶ。だが叫ぶ場所がない。ユハの幅がそれを許さない。流れが止まらない。

説明の席が作れないと、正義の椅子は立たない。


相手 塞いだ理由を、

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。

フィン はい終了。次の角行け。


ほのぼのは、子供が勝手に最適化するところで出る。

枠が塞がってるのを見た瞬間、子供が言い出した。


子供 置かない!さん!

別の子供 さんに置く!終わり!

ミナ えらい。

フィン 俺らより賢い。

レイナ 口がないから。


三番に置かれた箱は、そのまま運ぶだけで流れる。

置き台の前で止まって受け渡しをする瞬間が消える。枠を塞ぐ攻めが、逆に止まりを減らす。

塞いだ本人だけが損を抱える。


夕方前、補修班工房へ一度だけ行く。外は変えない。向こうの明るさも変えない。完成感も増やさない。

持ち込むのは条件だけ。枠が塞がれたら置かない。三番。塞いだ物は0。


補修班頭 台、塞がれたって?

塞がり時は置かない。3番。

補修班頭 塞いだ物は?

レイナ 0。

補修班の若いの 止まると面倒なんで。

レイナ 正解。

補修班頭 ……よし。止まるな。


若いのが三箱を抱えてまとめ返却に向かう。途中で止まらない。台に寄らない。落とし口へ一直線。三つ落として終わり。

枠が塞がれても、返却は速いまま。速いままなら噂が育たない。


夕方、ブラントが市場から戻る。噂の内容は持ち帰らない。形だけ。

今日は二つ膨らみかけていた。置き台が塞がれた、という形。臭いが出た、という形。

どちらも椅子を立てる材料だ。だが条件が短い。置かない。三番。0。座れない。


ブラント 塞がれたって話が回りかけました。

レイナ 置かない。三番。

ミナ 紙一枚。理由なし。

フィン 臭いの方は?

ゼフ 油。

レイナ 0。

ブラント 0に落とすと、外は分類できません。座れません。


領主へは数字だけ。短く。噂が嫌いな人間は数字で切る。


領主 置き台が塞がれたと聞いた。

ブラント 塞がり時は置かず3番で運ぶ条件にしました。

領主 良い。止まる場所を与えるな。噂は嫌いだ。

レイナ 与えない。

領主 臭いは?

ゼフ 0。

領主 説明するな。数字だけ残せ。

ミナ はい。


夜。灯りは二基。低く地味に足元だけ。入口は照らさない。外変化0。

覗きが薄い時間だけ、ゼフが枠の木片を見た。触らないのが基本だが、枠の内側に残したままだと外の目印になる。外変化0を維持するなら、戻すのは夜だけ。

木片は誰の物でもない顔をしている。置いた時点で対象外。だから0。0は凍結。箱は既存。名前は増やさない。


ゼフ 木片。0。

レイナ 凍結。

ミナ 数だけ。

フィン 結局、自分の小細工だけ自分で回収できないの、間抜けだな。

レイナ 間抜けほど燃える。だから0。


翌朝。置き台は一枠のまま空いている。外から見える完成感は増えていない。外変化0。

三番への切り替えは残った。塞がれても止まらない形が残った。

相手はまた雑になる。雑は距離で死ぬ。追わない。捕まえない。燃やさない。


フィン 枠塞ぎが、逆に止まり減らすの笑うわ。

ミナ 条件が先に刺さってるから。

ゼフ 0は0。

ユハは無言で入口の暗がりへ戻る。止まりは今日も死んでいる。

レイナ 次も一つだけ。外変化0。


俺は板に一行だけ残した。

置き台塞がり1を三番運搬切替1で止まりを出さず処理し、塞ぎ木片と匂いは0凍結1で数だけに落とした。

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