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現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: 検証中


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第9話 資材高騰RTA 塩のコピペで木材と鉄を流して、商会を“味方枠”に落とす

朝。


市場の空気は、塩で一回落ち着いた。

だから次は、資材で荒れる。


板を開く。


本日の稼働上限:6時間

現在:0時間00分


レイナが静かに言う。


今日のAは木材と鉄

建設が始まると必ず詰まる

詰まりは値上がりを呼ぶ

値上がりは争いを呼ぶ

争いは時間を食う


分かってる

塩の形をそのまま写す

最短で空気だけ先に落とす


そう

“少量先行”が先


扉がノックされた。


入る!


フィン、ガイル、ミナが揃って入ってくる。

三人がいるだけで、俺の脳が少し軽い。


ミナが先に言う。


市場ボード、木材と鉄が高

木材は一部の店で買い占めの動き

鉄は鍛冶屋が朝からピリピリ


フィンが続ける。


門の外、木材の荷車が止まってるって噂です!


ガイルが腕を回す。


運ぶならいける

ただ、どこに置くかだな


置き場は中継点。

でも塩と混ぜると事故る。区画で分ける。


俺は拠点ボードを指さした。


今日の順番


A:原因特定(止まってる場所を三つまで)

A:木材と鉄を“少量だけ”市場へ見せる

B:中継点を区画分け(塩/木材/鉄)

C:帳面の型を資材用にコピー


ミナが即答する。


帳面は今の型でいけます

品目欄を追加するだけ


いい。

俺は三人に役割を渡す。


ガイル:荷車の誘導と搬入

ミナ:帳面と札、配分の記録

フィン:現場の空気観察と案内、看板係


そして最重要。


判断は俺

作業は君たち

勝手に仕事を増やさない


三人が揃って頷いた。


原因特定 木材と鉄が止まる理由はだいたい同じ


市場へ行く前に、ボードを見る。

市場入口の板に、もう答えが出ている。


木材:高

鉄:高

不足:釘/板材

過多:なし


過多がない。

つまり“足りない”が本物。もしくは“隠れてる”。


レイナが短く言う。


遅延か抱え込み

まず流れを見る

次に人を見る

順番を逆にすると揉める


俺は頷いてギルドへ向かった。


受付の女性は、昨日より少しだけ生きてる顔になっている。

入口整備の効果だ。


木材と鉄、どこで止まってる


受付がテンプレ通りに答える。


木材:東門外、列が伸びてる

鉄:鍛冶屋街、買いが集中してる

あと…商会が動いてる


商会。出た。


どこの商会


受付が口を尖らせる。


ブラント商会

値が上がると必ず来る

でも、筋は通す

嫌だけど


嫌だけど筋が通る。

一番厄介なやつだ。敵にすると長引く。味方にすると強い。


レイナが即断する。


敵にしない

枠を渡す

枠の中で得させる

外に出したら暴れる


分かってる。


俺はフィンに言う。


フィン

現場の噂は三つまで拾え

誰が何を怖がってるか

短く


はい!


ガイルには門の外へ走らせる。


ガイル

東門外の木材列を見て

止まってる理由を三つまで

戻って報告3行


了解


ミナは市場へ。


ミナ

鍛冶屋の鉄の動きを見る

誰が買ってるか

帳面と目で

戻って報告3行


了解です


俺は一人で、ブラント商会へ向かった。

ここを先に押さえる。先に押さえると、後が楽。


商会は敵じゃない “買い方”が街を壊すだけ


ブラント商会の店先は、朝から人が動いている。

荷札、帳面、金。全部が速い。


商会主ブラントは、俺を見るなり笑った。


おや

領主の右腕殿

今日はうちに何の用だ


右腕って呼ばれると背中が重い。

重いと動きが鈍る。鈍ると死ぬ。


俺は短く言う。


木材と鉄

値が上がって街が荒れる

荒れる前に流す


ブラントは肩をすくめた。


需要が増えただけだ

建設が始まった

上がるのは自然


自然

でも“急すぎる”と人が殴り合う

殴り合うと商会も損する


ブラントが目を細める。


損?


市場が止まれば、売り先が減る

門が詰まれば、搬入が遅れる

遅れれば、あなたの金も寝る


ブラントは少し笑った。


なるほど

話が早いな


俺は机の上に、木札を一枚置いた。


資材 配分枠(仮)


午前:少量先行(市場へ“見せる”)

午後:本流し(建設現場へ)

商会枠:午後の余りを優先購入

その代わり:価格は上限付き


ブラントの眉が上がる。


上限?


上限があると買い占めが落ち着く

落ち着くと搬入が早くなる

早いとあなたは多く売れる


ブラントが椅子にもたれた。


……俺にとって悪くない

だが、上限は誰が決める


決めるのは“量”

量が増えれば上限は緩む

量が減れば締まる

数字じゃなく、段階でいい

高・普・安の三段階


ブラントが口元だけで笑う。


商人に数字を渡さないのは賢い


数字は戦争になる

段階は運用になる


ブラントが少し黙ってから言った。


条件を一つ

俺の商会に“買う権利”をくれ

権利があるなら、俺は流れを守る側に回る


権利。

独占の匂い。


レイナが静かに言う。


全部は渡すな

“余りの優先”だけ渡せ

余りは変動する

商会は動ける

街は守れる


俺は頷いた。


余りの優先だけ

午前は市場の空気を守る

午後は建設を動かす

その後の余りを、あなたが買う


ブラントが手を叩いた。


いい

それなら俺も動ける

……で、誰が帳面を書く


ミナが書く

あなたの商会も写しを取る

不正はしない

しようがない形にする


ブラントは立ち上がって手を差し出した。


合意だ

右腕殿


俺は握手した。

握手は短く。長くすると仕事が増える。


少量先行 市場に“見せる”だけで空気が落ちる


東門へ向かう途中、ガイルが戻ってきた。

汗をかいてるが、顔は落ち着いてる。


報告3行!


言え


ガイルが短く言う。


結果:木材の荷車、東門外で12台待ち

問題:門内で荷下ろしして詰まってる、置き場が決まってない

次:中継点へ直接誘導すれば動く、門兵と合意が必要


完璧。


次にミナも戻ってきた。

帳面を片手に、目が冷静。


結果:鉄は鍛冶屋が朝に集中買い

問題:不安で多めに抱える、午後搬入が見えない

次:午後便を固定して、店ごとの上限を貼れば落ち着く


よし。全部、塩と同じだ。


俺は隊長のところへ行って短く言う。


木材と鉄も、仮検査で外で分ける

門の中は通すだけ

中継点へ直行

置き場は決めた


隊長がため息を吐く。


またか


まただ

でも楽になる

塩で分かっただろ


隊長は渋々頷いた。


……やれ

ただし揉めたらお前が止めろ


止める

でも先に形を作る

揉める前に動かす


フィンが縄を張り始める。

札は短い。


木材優先

鉄優先

中継点直行


ガイルが荷車を誘導する。

木材を二台だけ先に抜く。

鉄を一台だけ先に抜く。

少量先行。


中継点に着いたら、区画札を下げる。


木材


ミナが帳面に書く。

品目欄が増えても、型は同じ。強い。


そして市場へ。


木材が見えた瞬間、空気が変わる。

鍛冶屋が鉄を見て、顔が緩む。


鍛冶屋の親方が言った。


来たのか

……今日、来るってだけで助かる


俺は短く返す。


午前は少量

午後が本便

日課にする


親方が頷く。


午後に来るなら、朝に抱えなくていい


そう

抱えるのは不安だから

不安を消すのは、約束じゃなく“見える形”


市場ボードに、フィンが書き足す。


木材:高 → 普寄り

鉄:高 → 普寄り

午後便:あり(固定)


たったそれだけで、買い占めの熱が落ちる。

殴り合いの芽が消える。


レイナが静かに言う。


今日も勝った

戦ってない

でも街が止まらない形が増えた


商会を“協力枠”に固定 独占じゃなく、余りの優先


午後便の前に、俺はブラントを中継点へ呼んだ。

ここで現場を見せると、余計な口を挟まれにくい。


ブラントが区画札を見て言う。


分けたか

塩と同じだな


同じにした

同じは速い

速いは勝ち


ブラントが笑う。


商売でも同じだ


ミナが帳面の写しを見せる。


こちらが記録

そちらも写しを取っていい

ただし改変は不可

印で守る


ブラントは素直に頷いた。


筋が通ってる

よし

俺は午後の余りを引き受ける

その代わり、搬入の荷車も回す

流れを止めない


味方枠、成立。


俺は最後に釘を刺す。


午前は市場の空気

午後は建設

その後が商会

順番だけは崩さない


ブラントが口角を上げた。


崩したら俺も損だ

分かってる


これでいい。

敵じゃない。協力者だ。


板を見る。


稼働:5時間29分

残り:0時間31分

推奨:終了


ここでやめる。

ここでやめられると、明日も勝てる。


拠点倉庫に戻り、三人に言う。


報告3行


フィン。


結果:市場ボード更新、木材と鉄が普寄りに落ちた

問題:木材列の案内札が一箇所見えにくい

次:札を二重固定、明朝までに直す


ガイル。


結果:少量先行で木材2台、鉄1台を市場へ

問題:門内で荷下ろししようとする御者がいた

次:中継点直行札を門内にも追加、門兵と共有


ミナ。


結果:帳面の型を資材にコピー、写し運用開始

問題:午後便の量が日によって変動

次:段階表示(高・普・安)で市場ボードに反映、明日から固定


完璧。


レイナが静かに言う。


あなたは今

街の“入口”を三つ持ってる

資材

依頼

入口が増えるほど

あなたは戦わずに勝てる


俺は息を吐いた。


次は何が来る


板が、答えるみたいに通知を出した。


新規A:旧鉱山方面で鉄の搬出が止まる

原因:魔物で採掘が止まった可能性

要請:ギルド討伐隊


……来た。ギルド攻略RTAの匂い。

でも俺は戦わない。

俺は搬出を回す。


レイナが即断する。


明日のA

旧鉱山

討伐は冒険者

あなたは採掘と搬出の段取り

中継点を“外”に作る

そして最短で戻る


俺は頷いた。


了解

明日は“ダンジョン攻略”じゃなく

“搬出攻略”だ


異世界九日目、終了。

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