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現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: 検証中


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31/43

第31話 膜は売らない、袋を売る

朝、目が開いて最初にレイナが言った

今日は膜を増やす日

でも売らない

売るのは袋

袋は箱の外側

外側だけ売れば燃えない


板を見る

膜あり袋の量産準備

倉庫棚の内張り開始

管理依頼の増枠初日確認

錬金屋の炉内張り試験開始


フィンが目をこすりながら言う

膜あり袋って、そんなに必要か


レイナが即答する

必要

匂いを減らすのは火を減らすのと同じ

火が減ると人が静か

静かだと経営が回る

回ると稼げる


ミナが帳面を抱えて続ける

袋の配布先も決めます

倉庫

運搬係

錬金屋

調査班

優先順で


レイナ

優先順があると揉めない

揉めないと燃えない

今日は配布は最小

まず試験

試験が勝ったら量産

順番


倉庫へ向かう

棚の内張りはゼフがもう材料を積んでいた

薄板

糊じゃなく、熱で圧着する簡易具

高くない

でも剥がれにくい

ちょうどいい


ゼフが言う

棚板一枚ずつ

膜を貼って

端を木で押さえる

見た目が雑だと剥がしたくなるから

見た目だけは整える


レイナ

見た目は抑止

雑だと触られる

整うと触られない

触られないと燃えない


鑑定師が鍵を二つ持って現れた

棚を開ける動作が遅い

遅いのが正しい

箱は急がない


棚板の内張りを一枚貼るだけで、空気が変わった

匂いが薄い

気配が遠い

鼻が勝手に拾ってた刺激が減る


フィンが小声で言う

これ、やばいな

倉庫が普通になる


レイナ

普通が最強

普通になると噂が死ぬ

噂が死ぬと火が減る

火が減ると稼ぎに集中できる


次は膜あり袋の量産準備

袋は錬金屋が持ってきた布袋の型が基準

内側に薄く膜

縫い目は二重

口は紐じゃなく、木札の封止め


木札

番号

焼印

封蝋じゃない

封蝋は高いし手間

袋は消耗品

消耗品は軽くする


レイナが言う

消耗品は軽く

重要物は重く

重さは用途で変える

全部重いと回らない


ミナが手を止めて聞く

袋の番号

どう振りますか


レイナ

用途で色を変える

でも赤は使わない

赤は武器

倉庫用は灰

運搬用は茶

錬金屋用は黒

調査班用は白

番号は連番

帳面は一枚

誰がいつどれを持ったかだけ


俺は思わず言った

色、増えると管理増えないか


レイナ

増える

でも混同が減る

混同が減ると事故が減る

事故が減ると火が減る

結果的に時間が増える

やる価値ある


ゼフが頷く

木札の色なら簡単にできる

焼き印も同じ

袋の口に通す穴だけ揃えればいい


こういう時のレイナは速い

俺が迷う前に、迷いどころを潰してくる

効率厨に効く


昼前、管理依頼の増枠初日を確認しに旧鉱山へ

掲示板の前、待機札の列は昨日より整列していた

番号順で呼ぶ

呼ばれなかったら帰る

ルールがあると人は静か


ユハが短く言う

外周巡回を二組増やす

看板の内側は入るな

灰は外

赤だけ中

違反は停止

例外なし


例外なしの言葉が板に刺さる

刺さるほど、街が落ち着く


旧鉱山の入口

小屋の板

柵補修の音

巡回班の足音

全部が規則


そして、規則の中に異物が混ざっていた

見張り板の隅

小さく書かれた一行

朝早くに来た人物あり

倉庫の方角を見ていた

立ち止まり長い

話しかけず帰る


フィンが眉をひそめる

見てただけってのが一番気持ち悪いな


レイナ

見てただけは計測

計測は次の行動の前

前段階で止める

止め方は簡単

見せない

近づけない

箱を増やす


ユハが低く言う

倉庫に何か動きがあるなら先に潰す

護衛を増やすか


レイナ

増やすのは最後

先に視界から消す

袋の運搬を見せない

時間をずらす

経路を変える

それで十分

護衛を増やすと噂が増える

噂が増えると燃える


俺はその場で決めた

今日の袋の受け渡しは夕方じゃなく昼の終わり

倉庫から出す回数は一回

経路は裏

受け取る側は二人だけ

分散しない

分散すると追跡される


レイナ

正解

分散は安全じゃない

管理できる数に絞るのが安全


B裂け目と中心点も確認する

鳴子は鳴ってない

粉の吸い込みは変化なし

匂いも落ち着いたまま

守りは仕組みが回ってる

これが一番嬉しい


戻って錬金屋へ

炉内張りの試験開始

Aの膜を薄く炉の内壁へ

直貼りじゃない

薄板に貼って、薄板ごと差し込む

外せるようにする

外せるなら改善できる

改善できると事故が減る


職人が言う

これで炉の匂いが落ちたら

工房の空気が変わる

弟子が倒れなくなる


レイナ

倒れない工房は強い

強い工房は街を太らせる

太る街は領主が喜ぶ

領主が喜ぶと枠が通る


店主が渋い顔で聞く

いつ売る


レイナが冷たい

売らない

今は使う

売るなら袋

袋は消耗品

消耗品なら噂が走りにくい

石そのものを売ると走る

走ったら終わり


俺は店主に言う

袋を売る

膜あり袋を、許可制で出す

買えるのは優先枠の店と、領主倉庫と、ギルドの運搬係だけ

一般には出さない

値段は安くしない

安いと数が増える

数が増えると燃える


店主が笑う

売らないのに売るんだな


ブラントが肩をすくめる

枠を売って時間を買う

それがうちの流儀だ


ここでレイナが追い打ちをかける

袋を売る時は条件がいる

袋の番号を帳面に残す

返却したら割引

紛失したら次回購入不可

袋が戻ると管理できる

管理できると燃えない


店主が一瞬だけ嫌な顔をして、でもすぐ諦めた

諦めた顔は、箱に入った顔だ


昼の終わり

倉庫で袋を受け渡す

それぞれ数枚だけ

番号は控える

受け取った人の名前も控える

控えは三つ

倉庫

ギルド


ミナが紙に淡々と書く

余計な言葉はない

余計な言葉がないから燃えない


そして、受け渡しが終わった直後だった

倉庫の外

遠くの路地の角

誰かが一瞬だけこちらを見て、すぐ消えた


フィンが小さく舌打ちする

さっきの見てた奴か


レイナ

追わない

追うと見物が増える

増えると燃える

でも放置もしない

次の箱を置く


次の箱

つまり、囮だ


レイナが続ける

袋を一枚だけ囮にする

膜なし

同じ番号風の木札

倉庫から出したように見せる

でも中身は空

追うならそっちを追わせる

追わせて時間を奪う


俺は息を吐いて頷いた

気分は悪いが、効果はある

相手の時間を削れる

相手の時間が削れれば、こっちが稼げる


ゼフが即座に作る

膜なし袋

木札は似せる

でも焼き印は微妙に違う

帳面には載せない

載せたら混ざる

混ざると事故る


レイナ

混ぜないのが大事

囮は箱の外

本物は箱の中

箱を二重にする


夕方、ギルド前

管理依頼の回収

灰腕章は紛失なし

異常はゼロ

増枠しても崩れてない

それが最高


ユハが言う

このまま回れば

俺たちは守りから解放される


レイナ

解放されたら稼ぎ

稼ぎが増えたら拠点が育つ

拠点が育ったらギルド攻略RTAが加速

加速しても燃やさない

箱で勝つ


寝る前、板に一行だけ書いた

明日:袋の囮で反応を見る 膜あり袋の追加生産開始 倉庫棚の内張り完了 不審者の動線を板で拾う 次の稼ぎ商品を一つ決める


灯りを落とす直前、レイナが言った

任せて

今日は見られた

だから明日は見せかけを置く

見せかけに時間を吸わせて

本命は静かに育てる

それが一番速い


異世界三十一日目、終了

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