平日の安息
目覚めしのよって、目が覚める。時刻は午前7時ごろだ。珍しく目覚めがいい。むしろ、頭の中をリセットした気分だ。
昨日の事で体が疲弊し、一時は病院にいたが、映画を見てそのまま寝たらしい。でも、一つ気になることがある。あの映画を見た時に感じた不可解な考察。あれは、私の考えた答えだろうか。どうにも気になって仕方ない。あの『第三次世界大戦』が頭から離れない。しばらくSF映画は控えた方が良さそうだ。
『もうお目覚めなのね。昨日より1時間と22分早く起きてるわ』
「おはよう、ブリュンヒルデ。ご親切にどうも」
スマホから、ブリュンヒルデの声が聞こえる。どうやら、彼女はずっと私のことを画面越しで見ていたみたいだ。
『私に挨拶なんて不要よ? 私はあなたの『アバター』。挨拶されるなんてそんな筋合いないわ』
「何を今更。私たちは『家族よ』? 家族に挨拶するのは当然じゃない?」
『あなたはAIも人と見るのね? まぁ、それがあなたらしい』
ブリュンヒルデは、困惑しながら私のことを見る。そうしていると、彩葉が私の部屋に来たようだ。
「お姉ちゃん? 珍しいね、もう起きてるなんて」
「おはよう、彩葉。あれ? 学校は?」
彩葉が寝巻きのまま入ってきた。
「今日は街全体で臨時休校だよ? 昨日のテロ事件で、全学校で再発防止対策を行なっているの」
「なるほど。それならどうしようもないわね」
私がベッドに座っていると、彩葉はモジモジとしている。何か言いたげだろうかと、しばらく待ってみる。
「お、お姉ちゃん?」
「何? どうしたの?」
「今日、ね。その、なんていうか、暇でしょう?」
「確かに、暇ね。特にやることもないし、映画でも見ようかなって」
顔を赤らませながら、彩葉はあることを言う。
「デ、デートしよう!?」
「……はい?」
突然のことに困惑する。私は考えることを放棄し、彩葉を見つめる。
「デ、デートしたいの。いい?」
「……そうね。しばらく一緒に出かけたことなかったわけだし、いいわよ」
彩葉は喜んだのか、そのまま部屋を出る。さて、私も身支度しないといけないらしい。私は私服を選びながら、彩葉とのデートの準備を始めた。
それからしばらく経ち、私と彩葉は家を出て街を歩く。街は全ての学校が臨時休校ということもあって、私服を着た学生たちが、カフェで勉強したり友達同士と出かけていた。
私も彩葉も私服で街を歩き、ショッピングモールに向かった。最初はシンプルにショッピングをし、その後に映画を見ていた。映画を見終えると、二人で食事をとる。
「はぁー。美味しい」
「ファストフードも悪くないわね。しばらく食べてないと、味も忘れるわ」
「お姉ちゃんはご飯作るの上手だからね。私も早く上手くなりたいな」
「そのうち出来るわよ。それに、彩葉は洋食が上手じゃない?」
私が料理にことを褒めると、彩葉は俯いていまう。どうやら、照れているみたいだ。そう二人で他愛もない時間を過ごしていると、黒いスーツを着た集団を見かける。どうやら、何かのイベントをやるみたいだ。
『あら、あの背広の集団から同胞を探知したわ』
「同胞? まさか、私たち以外にも?」
ブリュンヒルデの言葉に、背広の集団を見る。すると、昔から知っている顔を見かけた。
「――――美生?」
その少女は、背広の集団に取り囲まれながら、幼なじみの井崎美生は、どこかへと向かう。疎遠となっている私は、とても声をかけづらく、彼女を見過ごしてしまう。
「あの背広って?」
「ん? あぁ、そう言えば、政府と民間で作った新型の護衛ロボットのお披露目会が今日あるって。お姉ちゃんも行ってみる?」
「ロボット? そういうのには興味ないけど、まぁ行ってみるわ。ちょっと会ってみたい人もいるし」
食べ終えた袋をゴミ箱に入れ、私と彩葉は会場となるフロアへと向かう。3階からフロアを覗いていると、政府と企業が共同で開発したロボットのプレゼンをしていた。
どうやら、防犯目的で作られた新技術を活用したロボットらしい。
『構造としては、『アバター』をあのロボットの導入して防犯機能を自動で行なってくれることを想定にしているらしいわ。おそらく、この技術に同胞が関わっているとみていいわね。存外、いい腕をしているプログラマーみたいだし』
「もう理解しているのね。あんなのが、これから普及していくのか?」
私たちは新型のロボットを見下ろしながら、そのお披露目会を眺める。しばらく眺めていると、背景が急に灰色になる。まさか、また『仮想世界』に。
無音でロボットに触れる人たち。すると、ロボットは突如暴走し、それに伴い人々はパニックに陥った。無音で逃げる人たちをよそに、私はロボットの下へと向かう。無音ではあるものの、人々が叫びながら逃げていることを感じ取れる。
「そう言えば、美生は!?」
美生のことを探す。どうやら、彼女は白黒になっていないく、辺りを見渡していた。そして、彼女は一人安全なところへ逃げていく。彼女が安全なところへと逃げたことを確認する。
「よかった……。なら、心置きなく戦える!」
暴走するロボットを見下ろす。どうやら、何かしら不具合によって、暴走しているのだろう
こうして、私は暴走するロボットを止める為、もう一度『ブレイバー』として戦うのだった。
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