悪性アバターを追え
3人がカマキリ達の迎撃に向かっている。遠くから見ても、カマキリ達が次々と消滅しているのが見える。
その合間に、私は単独で『悪性アバター』の捜索に入る。『正宗』を構えながら、ネオンが光る街並みへと入る。逃げ惑う『アバター』たちを他所に、私は周囲を見渡す。
しかし、件の『悪性アバター』は見当たらない。どうやら、あのカマキリ達が現れた時と同時に、この地域からは移動したみたいだ。
カマキリ達が『アバター』達を襲い掛かろうとしている。私は彼らを守るように、『正宗』で両断する。
その後ろからウィルスの大群が私に襲いかかる。
「『ギリシア・コード【α】 モード:ブレイド・ダンサー』!」
『エネルギーブレード』を展開し、ウィルス達を一掃する。両断されたウィルス達は、次々と消滅していった。
「どうなっているの? カマキリとウィルスの二段構えなんて聞いてないわ」
私の疑問に、ブリュンヒルデがウィンドウを展開して解説を始める。
『あのカマキリ、ランサムウェアは寄生虫の特性を活かして企業のサーバーにハッキングする仕組みね。幼虫の体に卵を植え付け、内部から食いまくって蛹になった瞬間に羽化する。それを応用して、企業のデータベースを盗み取っては、駆除のために多額の身代金を要求させる。奴らにとっては莫大な利益を得ると同時に、企業にとっては甚大な被害をもたらすから、いいことはないわね』
「件の『悪性アバター』をどうにかしない限りは、止まりそうにはないわね。美生達が倒していってるにも関わらず、あの穴から次々と出てきてる」
『そうね。その『悪性アバター』の場所をマーキングしといたわ。この先のエリアに潜伏してるわ。どうやら、1時間足らずで駆逐されて、慌てて逃げてるみたいね』
私はすぐさまブリュンヒルデがマーキングした場所へと向かう。その道中でウィルスが現れるが、『ヴァルハラ』を構え、ガンカタで迎え撃つ。
「悪いけど、今はあなた達に構ってる暇はないの」
『ヴァルハラ』でウィルス達を撃ち抜きながら、『悪性アバター』を探し始める。道中で現れたカマキリを踏み台にしながら『ヴァルハラ』で頭部に向けて乱射する。その弾みで空に向けて飛び、『ウィングユニット』を展開して空を駆ける。
「時間がないわね。ブリュンヒルデ、奴の位置は?」
『まだこの地域を離れていない見たいね。その速度なら、すぐに追いつくわ』
「なら、もっと早くするわ!」
マッハのスピードで、摩天楼の中を駆け抜ける。カマキリやウィルスが私の進路を阻むが、『正宗』でそれらを斬り払う。
追いつくかどうかはわからないが、とにかく急いで『悪性アバター』の元にへと向かう。
「見つけた!」
『ウィングユニット』で急降下し、『悪性アバター』を潜伏場所へと向かう。気配を感じられず、周囲を見渡す。
すると、四方から大型のカマキリが、私を囲うように現れた。
「囲まれたみたいね」
『正宗』を震いながら、カマキリの群れに向かって移動する。『正宗』と『エネルギーブレード』の二刀流で構え、カマキリの群れを迎え撃つ。
「悪いけど、あなた達の相手をしている時間はないわ」
2振りの剣で、カマキリの1体を斬る。カマキリの群れは、私に怯まずに襲いかかる。
「『ギリシア・コード【β】 モード:ガンスリンガー』」
『ヴァルハラ』を構えながら、カマキリの足を撃ち抜く。カマキリの1体は体勢を崩したと同時に、カマキリの頭部に『ヴァルハラ』を乱射する。すると、カマキリの頭部は粉砕され、それと同時に消滅する。
「次」っとモードを変え、モーターのついたナックルを構える。モーターのエネルギーを蓄積させ、カマキリに向けて放つ。
カマキリは私が構えている隙をつく様に、腕の刃を振るう。
「『γ・フィスト』!」
ナックルに蓄積したエネルギーを一気に放出する。すると、放出されたエネルギーはカマキリ諸共奥にいたウィルスを排除した。
「残りはあなただけね。さぁ、相手をしてあげる」
カマキリは私に向かって刃を下ろす。すると、私はジャンプで避け、それと同時に両腕の刃を斬り落とす。
「両腕がないと、何もできないわね。なら、潮時かしら?」
カマキリはもがき苦しみながらも、口にエネルギーを溜め、光線を放つ。私はそれを避けると、エネルギーを縦に斬る。
「『α・ブレイズ』!」
エネルギーを溜めた一撃を放ち、カマキリを両断する。そして、カマキリが消滅すると、『アバター』が隠れていたのも確認する。
「そこまでよ」
逃げようとしている『アバター』に刃を突きつけ、その場で拘束する。彼も観念したのか、その場で動かずにいた。
「あなた、この騒動の元凶ね。何が目的かしら?」
「な、なんだよお前! ど、どうして、あれをやれるんだ!?」
「さぁ? それを教える権利なんて、あるわけないでしょう? それよりも、あなたの目的がなんなのかが先じゃない?」
『アバター』は私の脅しに恐怖している。まさか、AIでもこう言う事態には恐怖するとは思ってもいなかった。
「あなたの目的は何?」
「だ、誰が話すか!? 俺1人捕まえたくらいで、何度でもハッキング出来るんだ!」
「なるほど、集団ってわけね。それで? 他に言うことは?」
『ヴァルハラ』の弾丸を『アバター』に撃ち込む。身体に当てないよう、銃弾を股間に向けて放つ。
「ひぃぃぃ! わかった! 言うから命だけは取らないでくれ!」
「命乞い? なら、あなた達の目的は何かを話してくれないかしら?」
『アバター』は怯えながら私に命乞いをする。彼は『アバター』のふりをしているが、私には『悪性アバター』であることは明白なのだ。
「あなた、『悪性アバター』でしょ? 誰のから奪ったのかしら?」
「に、日本人のバカな学生からだ。ダークウェブで売買されたのを、買い取ったんだ。俺たちはこれを使って、主に日本の企業のサーバーから機密情報を抜き取っては、それをダークウェブに売り裁いたんだ」
「ますます腹立たしいわね。それで? あのカマキリはあなた達が作ったのもなの?」
「ち、違う! あれは、『X』から買ったものだ! あれを導入するのに、かなりの金を使ったんだ! それの返済に追われてよう。仕方なく、あれを使って売り捌こうとしたんだ」
彼を尋問している間に、ブリュンヒルデは解析を進める。解析結果が私の視界に表示された。
「ロシア系のハッカー組織か。政府とのパイプは?」
「し、しらねぇよ! 俺らは政府となんて、何も関係が――――――」
尋問中に、『悪性アバター』が突如不具合を起こす。バグなのか何かはわからないが、突然狂い始めた。
「ご、午後午後オゴゴゴゴゴゴゴごgggggggggrrrrrrrr」
「どうなってるの!? 突然、狂い出したけど?」
ブリュンヒルデが解析を始める。この狂い方に、どこかで見た記憶がある。まさかと思ったが、あのショッピングモールでの出来事と似ていた。その時は、犯人が突然の発作でそのまま息絶えたが、それと同一なのか、はたまた別なのか
『例のナノマシンと同一の現象ね。ナノマシンが反応して、持ち主が発作を起こしたみたい』
「それじゃ、持ち主は?」
『死んだわ。おそらくね』
ブリュンヒルデの言葉に、私はやるせない気持ちになる。この騒動の結末が、こうもあっけないものになったとは。
しばらくして、3人が合流する。それと同時に、ハッカーによって開かれた穴が閉じ始めた。
合流する頃には、時刻は朝の四時になっていたのだった。
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次回は月曜日の22時頃に更新します!




