最強の盾と最強の刃
今回も更新を遅れてしまいました。申し訳ないです。
女兵士が『ブレイバー』となり、ますます状況が複雑になる。一刻も早く美生と香里奈と合流しなければならない状況の中、私は彼女に決闘を申し込まれる。だが、感じている重圧が計り知れないものになっている。
それほどまでに、彼女が強者であることには違いないだろう。
「さぁ。戦おう! 私をもっと楽しませて!」
対する彼女は、高揚感が昂り、いつでも戦闘を行える状態だ。だが、ここで彼女と戦い、勝たなければ先には進めない。私は腹を括り、彼女との決闘に応じることにした。
「えぇ。私もあなたに勝たなければ、仲間と合流できそうにない。この決闘、受けてたつわ!」
「そう来なくっちゃね。そうでないと、私も『ブレイバー』になった意味がない!」
私と女兵士は、お互いに『ウェポン』を構え攻撃する。すると、彼女は私と同じガンカタで『正宗』を受け止める。決闘の最中、ブリュンヒルデが私に話しかける。
『随分と変わった『ブレイバー』ね。『リンク』はしているけど、自分を保てているみたいだわ』
「どう言うこと?」
私の質問に、ブリュンヒルデは答える。
『本来『ブレイバー』は『リンク』した時、性格が変わるのは知ってるわよね? あなたが私と『リンク』した際に、私のAIがあなたの性格として反映されるのよ。だけど、彼女の場合は『アバター』のAIはあるけれども、本人の自我の方が優っているみたいね。でも、元の自分の潜在的欲求が高まっているようだわ』
「それじゃ、今の彼女は?」
『おそらく、根っこにある闘争心が全開になっている。気が済むまでとことん戦いを求める『戦闘狂』と言ってもいいわね。もっとも、今はあなたとの戦いに全力を注ぐのでしょうね』
「やれやれ。なら、気が済むまで相手をするしかないみたいね」
ため息をしながら、私は女兵士の相手をする。『正宗』を構えながら、私は彼女に話しかける。
「待たせてしまったわね。さぁ、始めましょうか」
「良い目だね。覚悟を決めたみたいな鋭い目だ。さぁ、ここからは私とあなたとの決闘! どっちかが果てるまで、終わらない戦いだよ!」
彼女は高らかに声を上げながら、両手に持っていた銃で私に向けてビームを放つ。私はビームを咄嗟に避けるが、彼女から放たれたピットの追撃を受ける。
「ビームにピットって遠距離武器が多いみたいね」
「あら? 誰も近接でやるなんて言ってないよ? 得意分野を出し切ってこその決闘! さぁ、あなたも得意のやつでかかってきて!」
ピットのビームを避けながら、女兵士の懐に潜る。そして、『正宗』を振るいながら、彼女に斬りかかる。だが、私の斬撃は意図も容易く防がれてしまった。
「シールド!? まさか、防御までこなせるの?」
「よそ見している場合?」
斬撃を弾かれた私は、反動でよろけているところにピットを撃ち込まれる。すぐにピットを見た私は、即座に回避し難を逃れる。
「すごい! あの体制でピットを避けるなんて! あなたすごいよ!」
「褒めてるつもり? 私には貶しているように聞こえるけど?」
彼女は、私の動きを見て称賛する。しかし、称賛しつつも彼女の攻撃の手は緩むことはない。
「『ギリシア・コード【β】。モード:ガンスリンガー』」
『ガンスリンガー』に切り替え、ピットを撃ち返す。そして、女兵士の間合いに接近する。だが、間合いに接近するが、足での攻撃が弾かれる。
「何!?」
「へぇ〜、スタイルによって、攻撃の仕方も変えるんだね。でも、私のこの盾を突破できないと、話にならないね」
私は『ヴァルハラ』をシールドに向けて放つ。しかし、全弾を放ったところで、彼女のシールドを破ることができない。彼女もまた、二丁の銃でビームを放つ。
「そのシールド、敵からしたら厄介ね。しかもシールドで怯んだところをピンポイントで狙ってくるとは、相当なやり手だわ」
私の一言に、彼女はシールドを浮かせたまま自分の周囲に展開する。
「私の『ウェポン』、『イージス』と『アイギス』は二つの異なる性質で私が受ける攻撃を全て無力化させる。『イージス』は私を物理攻撃から防ぐ。単純な話、これを展開している間は、私に対する物理攻撃は『プラズマ・エネルギー』によるバリアで弾かれると言うわけさ。対して『アイギス』は、磁力で弾丸などを跳ね返す。用はアイギスが展開している間は、鉄製の武器は磁力によって吸い込まれると言うことだよ」
「なるほど、二層の壁を形成することで、あらゆる攻撃パターンに対応できると言うことね。そして、ピットやその腕に持っている銃で反撃できるということか。防御は攻撃に変わると言うのはあながち間違ってはいないと言うべきね」
彼女の『ウェポン』の解説に、私は打開策を模索する。しかし、見出そうとしても彼女の卓越した戦闘センスによってこちらが打開されてしまうと考える。そう考えているうちに、女兵士は再びウィングユニットを展開させ、ピットを再び放出する。
「打開策を考えてるだろうけど、戦いにおいて余計なことを考えてる暇はないよ!」
「さすがは軍人。その言葉には説得力があるわね。でも、こっちだって良いようにされるのは真っ平ごめんよ!」
ピットの攻撃を避けつつ、再び姿を変える。
「『ギリシア・コード【γ】。モード:パニッシュメント』」
『パニッシュメント』に切り替え、女兵士を守っているバリアに攻撃する。モーターの加速で威力が増している拳でバリアに向けて殴る。
「『γ・フィスト』!」
ラッシュをかけるようにバリアを殴る。女兵士もまた、ピットを操作し私の背後に回らせる。それに気づいた私は、ピットから放たれるビームを避け、再び姿を変える。
「『ギリシア・コード【α】。モード:ブレードダンサー』」
『ブレードダンサー』に姿を変え、『正宗』に全てを込める。エネルギーを全開に込めた一振りを、女兵士に向けて振るう。
「『α・ブレイズ』!」
バリアを展開している女兵士に向けて、渾身の一振りを放つ。彼女は全力で防ぐ。しかし、威力全開の『α・ブレイズ』の前では、バリアは意味を成さない。そして、彼女が展開していたバリアは破壊され、『正宗』が彼女を斬る。
「『Ξ・バインド』!」
『アイギス』の効果により、磁力が展開される。それによって、私の攻撃は磁力によって徐々に鈍り出していく。
「はぁぁぁぁぁぁ!」っと怒号のような叫びを発しながら、『正宗』を限界まで振るう。彼女も『アイギス』でのバインドをやめ、咄嗟に『正宗』を白羽取りで受け止める。
「まさか、『イージス』のバリアを破壊するなんてね。『ブレイバー』になって、初めてここまで追い込まれたよ」
「そりゃどうも。これでお互いの手札は出し合ったようね。持久戦も好みだったりするのかしら?」
「癪だけど、そうみたいだ。でも、持久戦も悪くないよ」
彼女はピットをしまい、持っていた銃を二丁構えながら私に向かって銃口を向ける。そして、戦闘を再開するまでの間に再び私に話しかける。
「ねぇ? あなたは何のために『ブレイバー』として戦うの? 国のため? それとも、自分自身の為?」
「何を言ってるの?」
「言葉通りの意味だよ? 君がこんなに強いのには、訳があるはずだ。さぁ、答えて?」
彼女の問いに、私は『ブレイバー』になった理由を考える。それに辿り着くには、案外時間が掛からなかったのだ。
「私は、私の日常を守るために『ブレイバー』になった。たとえ、国が私を使おうと構わない。だけど、私と家族、親友を引き剥がそうとした場合。私は国だろうと軍隊だろうと徹底的に潰す。反逆者でもテロリストでも構わない。私は、私の日常を守れるのなら、『ブレイバー』になったって良いわ。それが私が『ブレイバー』として戦う理由よ。どう、これで満足?」
私の答えに、彼女は笑顔を向ける。そして、彼女は盾を下ろし、銃も装備から解除した。
「やーめた。それを聞いたら、興が冷めちゃった」
彼女の言葉に、私も『ウェポン』を解除する。そして、彼女と同じく地上に降りる。
こうして、『ブレイバー』同士の決闘は、相手側の棄権と言う思わね結果で終わるのだった。
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